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「日本の常識がどこでも通用すると思い込んではいけない」

第9回:現地社会と共に歩む経営作法

  • 山下 充洋

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2012年11月2日(金)

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 ひと昔前、日本メーカーがこぞってアジア進出を目指したのは、生産コストの削減が主な目的であった。しかし今は、新興国を大きな可能性を秘めたマーケットと捉え、現地の生活者に受け入れられる商品の開発を目指す企業が増えてきている。

 マンダムは、価格設定、原材料選び、品質向上、パッケージ刷新など様々なポイントから現地仕様の商品づくりに尽力し、その国の生活者が求める価値を提供してきた。さらに、政府、労働組合、業界団体、地元生活者らに寄り添うことで、長く現地で愛され続ける存在となった。(聞き手は、伊藤暢人)

新興国ビジネスの成功や成長を考えたとき、政局や経済が不安定であることが阻害要因の1つになることもありますが。

山下:たとえばインドネシアの場合、かつてのような政府が圧倒的に強い時代は終わり、政変を経て、次に大衆迎合的な政治体制となりました。民衆に対して権利だけを教えて義務については語らなかったため、労働者に極端に有利な労使関係を招くなど弊害もありましたが、近代化、先進国へ向けて着実に成長はしてきました。

 しかし、まだまだ問題や課題も残っていました。これは現地に進出しているある日系企業で実際に起きた話ですが、メーデーの日に工場に出向くと社員が1人も出社して来ない。交渉のプロセスを省いて、いきなりストを実行していたのです。交渉の席を設けるどころが、事前に通告するなどのルールすら守らない。スト対策の基本は、トップがオープンに、シッカリと労働組合と向き合ってトコトン話し合うことです。そしてストをする権利がある代わりに、労使交渉にはルールと義務があることも教育することです。情報開示が要となります。

 マンダムは上場会社ですから四半期ごとに決算を開示しています。社外には出さない情報までも、できるだけ社内のスタッフには開示して説明します。総務部門は多少反発するかもしれませんが、ローカルのスタッフも厳密な数字まではわからなくても、大体のことは肌でつかんでいるものです。倉庫担当者なら、どの製品がどのくらい売れているか、それが前の年に比べて増えているのか減っているのか、ちゃんと知っています。できる限りの情報を開示し、相手にシッカリ向き合って話し合うこと、そして教育することが基本です。そして納得させ、結論に至った理由を共有していくことが大切です。「日本人VSローカル」といった構図に陥るのは最悪ですので、これだけは避けなければなりません。

 そして現在のインドネシアは民主主義と法制度の徹底の時代へと変遷しています。新興国ではいつの時代でも政局や経済の不安定さはありますが、だからこそ大きく成長する可能性や逆転のチャンスもあるのです。日本もかつては同じ道を経て今日の世界に冠たる経済大国に成長したのですから、マイナス面ばかりに目を向けずにプラスの面に期待してジックリと腰を据えてつき合っていくべきではないでしょうか。

インドネシアにも日本のように労働組合を束ねる組織があるのですか?

山下:ありますよ。中央労働組合のほかに、日本でいう経団連のような組織もあります。最低賃金の検討などは、それに労働省(政府)を加えた3者で揉んで政府へ答申したりして世論形成をしていくのが一般的です。1998年のアジア経済危機の混乱期にILO(国際労働者連盟)の憲章に署名したため、雇用契約などの裁判の裁定は極めて労働者寄りになっています。そのため普段から現場に顔を出し、スタッフの不満に耳を傾けることも大切だと思っています。

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