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「価格競争に乗るのでは、生活者にいかに近づくかを考える」

第12回(最終回):BOPからMOPへ ~生活者の半歩先を行くために~

  • 山下 充洋

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2012年11月13日(火)

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 新興国ビジネスに乗り出そうとしている企業なら、「BOP(ベース・オブ・ピラミッド)ビジネス」への関心も高いことだろう。BOP、すなわち所得ピラミッドの底辺の層は人口のボリュームの最も多い層でもある。そこを相手にモノを売れば、事業ボリュームが見込める。将来、人々の生活が豊かになり、購買力がアップすれば、さらに売り上げを伸ばすことができるという考え方だ。

 ところが、新興国のBOPは急激な勢いで成長し、BOPの上層部はすでにLMOP(ローアー・ミドル・オブ・ピラミッド)に育ちつつあるようなのだ。マンダムでも、BOP向けにヒットを飛ばした小分け商品の中には、売り上げが横ばいになり始めたものがあると言う。高級品には手が届かないが、今までの商品では飽き足りないという人たちが増える中で、日本メーカーがブランディングを得意とする外資と闘っていくためには、どのような工夫や心構えが必要なのだろうか? (聞き手は、伊藤暢人)

かつて、世界中が「日本製=高品質」と認めていた時代がありました。昨今の新興国において、日本製品はどのような印象を持たれているのでしょうか?

山下:正直なところ、信頼、歴史、安心感などは持っているけど単価は少し高くて……十把一からげ、の印象ですね。「商品は売れるが、ブランドが定着・浸透しない」というのが日本メーカーとその製品のイメージです。

 売らんがために安くしてしまうというか、高いものを売る自信がなさそうに見えるというか・・・・・・。一度ブランドが浸透すれば、たとえ主力商品がA・B・CからX・Y・Zに変わったとしても、同じように認知されます。でも、日本メーカーの場合は、A・B・Cは爆発的に売れたけれど、10年後に出したX・Y・Zはダメだったというパターンが多いような気がします。

 決して、単純に高額だからと言うワケではないと私は思います。そもそも、「ブランド力がある=高額商品が売れる」ということではないんですよね。単価の安いものでも、爆発的に売れて、マーケットに浸透し、「あの商品(カテゴリー)といえば、あのブランドだね」と知れわたり、信頼され、認められていれば立派にブランドとして確立します。たとえば食品業界なら、単価が数十円や数百円の売れ筋商品を持つブランドメーカーがありますよね。

 その点、化粧品は生活必需品ではなく嗜好品であり“おしゃれ=文化”を売る商材ですから、どうしても高いところから低いところへ流れると言う習性があり、そこで高額商品が売れるメーカーが強いという印象になりがちというのは否めません。ですが、たとえ価格ラインが高くても、売れなくて店の棚でホコリをかぶっているとしたら、ブランドイメージは劣化し、勿論定着せず、ブランド力は高いとはいえず、マーケティングの考え方が間違っているのだと思います。

 マンダムの場合は、新興国マーケットに5グラムサイズの小袋入りの整髪料を投入してヒットさせた実績があります。つまり、商品の平均単価を下げることなく、商品の品質は維持しつつ、サイジングによって絶対的価格だけを下げ、BOPにも手の届く商品をつくったわけです。誤解しないでいただきたいのは、「小袋(サチェット)」という特殊な商品を売ることが“目的”だったわけではなく、生活者に近づくための“手段”として小袋という形態を選んだのだということ。まずは、使ったことのない整髪料を手にとってもらい、使い心地を確認してもらい、やがて生活者に経済力がついてきたら、レギュラーサイズの商品やより質の高い商品に乗り換えてもらおうというのが前提なんです。安いものを売ることを目的にしていたのでは、いくら頑張ってもブランド力はつきません。

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