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痛みに耐え忍ぶ“愛の国”と日本の共通点

欧州ルポ:アイルランド編

  • 豊島 逸夫

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2012年11月16日(金)

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 アイルランドは日本語で愛蘭土、略称「愛」と書く。この愛の国の教育水準は高く勤勉な民族で国内治安も良く、景色も美しい。英エコノミスト誌は2005年、アイルランドを「欧州で最も住みやすい島」に選んだほどだ。特に米国では3600万人もの愛系米国人が各界で活躍してきた。ジョン・F・ケネディー、ロナルド・レーガン、ビル・クリントンからグレース・ケリー、マライア・キャリーまで、枚挙にいとまがない。

 しかし、彼らの先祖が米国に移民してきた背景には、愛の国と英国の経験した過酷な歴史があった。ジャガイモ飢饉である。19世紀半ば、愛の国の国民の大半は農業に従事し、ほとんどが小作農家で地主、貴族は英国に住んでいた。そこで地代を納めずに済む小さな庭でジャガイモの生産を始め、これが主要食物となっていた。

 ところが欧州でジャガイモの疫病が発生。欧州の他地域では貴族や地主が農民を救済したが、ブリテン島に住む愛の地主たちは緊急食糧配給などを躊躇したため、人口650万人のうち100万人が死亡した。さらに100万人が米国やカナダなどに新天地を求めた。

歴史的な経緯から反英、第二次大戦では対日参戦せず

 1997年に英ブレア首相がジャガイモ飢饉問題につき謝罪したものの、愛の国にはいまだに底流として反英親米感情が残っている。ちなみに第二次世界大戦では全ての英連邦諸国が対日参戦する中で、アイルランドだけが拒否した。大英帝国戦艦が相次いで日本軍に撃沈されたニュースを聞き、歓喜したという。

 日本人との共通性も多い。島国特有といえようか、同民族の閉鎖的結合が強く、良くも悪くも仲間内で助け合いかばい合う。

 良い意味では今回の超緊縮政策に直面しても、まずは「皆が耐えているのだから私も耐えねば」という自制が働く。大規模な銀行取りつけ騒ぎも起こっていない。

 逆に悪い面としては、知人を非難しにくい風潮がある。だから銀行監督当局もアングロアイリッシュ銀行の放漫経営に対して、なあなあ主義で対応した。銀行が経営不安に陥ると、政府はただちに預金者全員の保護を決断。そのツケが結局、納税者全員を襲うことになるのだが。

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