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「くまモン」は私たちが育てました

ゆるキャラを“売るキャラ”に変えた熊本県職員たち

2012年10月30日(火)

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 チームプレーは日本の「お家芸」とよく言われる。一人ひとりの力は小さくても、チームとして各自の役割を決め、知恵を出し合い、励まし合って取り組めば、不可能を可能にすることもできる。それこそ組織の力だ。

 「日経ビジネス」は10月22日号で「奇跡を起こす すごい組織100」と題した特集をまとめ、企業や団体から復興支援やスポーツ、先端科学研究のチームまで、成果を上げているすごい組織を100事例取り上げた。この特集と連動して、「日経ビジネスオンライン」では5回にわたり、一般にはあまり知られていないすごい組織の実像を紹介する。

 3回目は今や全国的な人気を誇る、ゆるキャラ「くまモン」とともに熊本県のPR活動を展開している熊本県くまもとブランド推進課を取り上げる。

 「公務員」と言うと、どんなイメージをお持ちだろうか。安定志向が強く、リスクを取ることを好まない。調整重視でスピード感に欠ける。終業時刻になればいそいそと仕事を切り上げて帰宅の途に就く――。こんな姿が思い浮かぶかもしれない。だが、その想像を鮮やかに裏切る組織が熊本県にある。

 熊本県くまもとブランド推進課。今や不動の人気を誇る、ゆるキャラ「くまモン」を全国区に押し上げた組織だ。数千種類存在するとも言われるゆるキャラの中で、くまモンはずば抜けた存在になった。

 ブランド推進課のメンバーは当然ながら県の職員。プロモーションもキャラクタービジネスも、経験ゼロのド素人の集まりだ。だが、熊本県を愛する彼らの試行錯誤を重ねながらの取り組みは1つずつ実を結び、くまモンの大ヒットにつながった。

 ブランド推進課のフロアには、1日中ひっきりなしに人が訪れる。くまモン関連商品の販売を希望する企業が相談や使用許諾の申請にやって来るほか、イベントなどの企画を持ち込む人も多い。周囲のフロアの電灯が少しずつ消え始めても、ブランド推進課の喧騒は続く。職員同士の議論の声に、時折、笑い声が混ざる。膨大な仕事との格闘が続き、残業も少なくない職場だ。それでも、ブランド推進課の職員は「県庁で一番面白い職場」と胸を張る。

「くまモンは、ゆるキャラではありません」

 くまモンの生みの親は、地元天草出身の人気放送作家、小山薫堂氏と、NTTドコモのクレジットサービス「iD」などで知られる売れっ子クリエイターの水野学氏。まさに強力タッグが世に送り出した。

 2011年3月の九州新幹線全線開通に向け、熊本県はキャンペーンを展開。博多と鹿児島を結ぶ新幹線の開通で「熊本県が素通りされるのではないか」と懸念した熊本県は、小山氏に一連のキャンペーンのアドバイザーへの就任を依頼した。

 小山氏は、キャンペーン向けに「くまもとサプライズ!」というコピーを考案。当たり前の熊本県の日常の中には、県外から見たら驚くような良いモノ、すごいモノがある。それをみんなで発掘していこうというメッセージを込めた。

 熊本県は当初、新幹線開通キャンペーン向けのキャラクターを作ることまでは考えていなかった。「熊本県には従来から複数のゆるキャラがいた。開通キャンペーンでも既存のキャラクターを使うつもりで準備をしていた」と、くまモン戦略を取り仕切る同課ブランド推進班の若杉久生主幹は明かす。

 ところが、ある日県庁を訪れた小山氏が、市の職員に対してプレゼンテーションを始めた。このプレゼンこそが、くまモンの提案だった。

コメント8件コメント/レビュー

私が熊本を訪れたのは一昨年ですが、別に何のキャンペーンでもなく、空港の中をくまもんがふらふらと歩いていて、あちこちで笑顔を振りまいて(??)ました。きちんと戦略を立ちつつ、ああいうゲリラ活動を地道にしてきたんですね。(2012/10/30)

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「「くまモン」は私たちが育てました」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

私が熊本を訪れたのは一昨年ですが、別に何のキャンペーンでもなく、空港の中をくまもんがふらふらと歩いていて、あちこちで笑顔を振りまいて(??)ました。きちんと戦略を立ちつつ、ああいうゲリラ活動を地道にしてきたんですね。(2012/10/30)

大変良い記事でした。が、「ゆるキャラは、絵を描くのが趣味の市民や売れないデザイナーなどが描いて応募し、それを市民や役所が選ぶのが通常だ。」。ここは、“売れない”ではなく“地元の”などが妥当かと思われました。そうでなくては「地元の活性化」を考えて応募した方、採用された方が浮かばれない。この記事を見た他のクリエイターがどう思うか。そのことに想像力を働かせてみて下さいませ。(2012/10/30)

素晴らしい企画ですね。なぜこんなに有名なキャラになったのだろうと疑問に思っていましたが、緻密な計画・作戦が見事に決まったからでしょうね。記事にした方の文才も素晴らしい。最後まで一気に読ませていただきました。久々に胸にぐっと来る記事でした。大変参考になりました。(2012/10/30)

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