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2000人の保護者が押しかけた就活説明会で感じた“違和感”

日経ウーマン発行人が考えるシューカツ問題の本質(第1回)

2012年11月7日(水)

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 「文系の保護者の方はこちらですよー」
 「理系はこちらです!」
 「今、順番にご案内いたしますので、列にお並びになってお待ちください!」

 今年10月のある晴れた土曜日、私は娘の通う大学に足を運んだ。娘はある私立大学の3年生。そう、現役の就活生である。その日は大学で就活生の保護者のための就職懇談会が開催されたのだ。行ってみて驚いた。

 会場までは保護者で長蛇の列ができており、1000人以上を収容するホールは、2階席までぎっしり埋まっていた。その模様をライブ中継し、別会場で見ている保護者もいるとのこと。主催者側が冒頭の挨拶で、その説明会には2000人もの保護者が参加していると説明した。就職指導が熱心なことで有名なその大学でも、過去最高の人数だという。

 今、大学生の就活が本格的にスタートするのは、学部生であれば、3年(大学院の場合は1年)の12月である。2014年の春に卒業予定の今の3年生の就活も、あと3週間ほどでいよいよ開始となる。首都圏では、11月の第1週目に多くの大学が学園祭を開催しているが、大きな祝祭が終わり、キャンパスはこれから日一日と就活ムードが色濃くなるだろう。

「親バカ・バイアス」が働く就活初期

 就活が本格化する前に開催された、保護者向けの説明会。子供のシューカツがどうも大変らしい、じゃあ行ってみるか――。そんな思いから、参加したに違いない保護者で会場はあふれていた。が、母親同士、夫婦連れで来た人たちからは、講演の途中で時折、笑い声や私語も聞こえて、そんなに会場はピリピリしてはいなかった。子供の就活への関心は高いものの、就活に強い大学だから大丈夫と思っているのかもしれない。筆者は、「ああ、ちょっとノンビリムードだな、今の就活の厳しさを分かってないのかもしれないな」と思った。

 そして、マズイなと思った。

 なぜ、そう思ったのか? それは、筆者は既に「就活生の親」を経験済みだったからである。

 筆者には、娘より3歳年上の息子がいる。彼は、2011年4月に社会人として働き始めた。同年3月には東日本大震災が起こり、息子の大学の卒業式は中止となった。日本中に、いや世界中にとてつもない大きな衝撃が走る中、彼は慌ただしく社会人デビューし、今2年目を迎えている。

 その息子の就活が、予想以上に大変だったのである。当時の就活は3年次の10月1日から始まっていた(2011年から2カ月遅くなり、12月となった)。だから息子の時は、もう今時分、就活の真っ最中だった。ほぼ毎日のように、リクルートスーツを着てどこかに出かけていたのを思い出す。

 当時、私は日経ウーマン編集長で、女子学生を対象とした就活用の別冊も作っていた。企業の人事関係や雇用問題の取材もしていた。新卒採用時の面接官の経験もある。つまり、就活に関しては、普通の親御さんよりも多少は詳しいと思っていた。しかし、事態は全く違っていた。本当のところは何も分かっていなかった。いや客観的な状況は把握していたとしても、それが腑に落ちるまでには至っていなかった。

 3年前、初めて就活生の親になった時に、「うちの子に限って…」という心理が働いてしまったのである。

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「2000人の保護者が押しかけた就活説明会で感じた“違和感”」の著者

麓 幸子

麓 幸子(ふもと・さちこ)

日経BPヒット総研所長・執行役員

1962年秋田県生まれ。1984年筑波大学卒業。同年日経BP社入社。2011年12月まで5年間日経ウーマン編集長。2012年よりビズライフ局長に就任、日経ウーマンや日経ヘルスなどの媒体の発行人となる。2014年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ビル・エモット 英エコノミスト誌元編集長