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大学で実感した米国の競争の厳しさと挑戦を促す風土

バブル期の日本が別世界に感じられた勉強漬けの毎日

2012年11月8日(木)

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 グーグルジャパンの最高幹部の1人、徳生健太郎は1986年に日本の有名進学校を退学、アメリカの高校に編入し、異端ともいえるそのキャリアをスタートさせることになる。そして高校を卒業後、徳生が進学先として選んだのが、コンピューターサイエンスではアイビーリーグで高く評されていたコーネル大学だった。

 だが、実はこの進学先は、徳生にとって第1希望ではなかった。ただ、この結果に対して、不思議な感覚を持ったことを徳生は覚えているという。

 「もし、ずっと日本にいてどうしても行きたい大学に落ちてしまったら、ものすごいショックだったと思ったんです。これぞと決めていた大学にいけなかったら、どうすればいいんだろうとか。でも、この時は、そういうショックはなかったんですよね。そうか、難しくてダメなのか、くらいの感覚で」

 それが何であるのか、徳生は後になって理解する。アメリカの持つ“失敗”に対する感覚だ。

勝利へのこだわりの裏にある失敗への寛容

 「アメリカはWinとLoseがすべてだ、と言われることがあるんですが、確かにそれが顕著だと思います。Winner takes allという言葉もあるし、勝つための技術をスポーツでも教え込まれる。2番でも3番でも、勝って1番になるのとでは、成果に対する評価に格段の違いがありますしね」

 だから、勝つために貪欲になるし、そのための準備も徹底的に考え抜かれて、実行されていく。

 「でも、結果として負けてしまったとしても、これですべておしまいだ、ということにはならないんです。日本では、勝ち組、負け組みたいな言葉もありますが、そこには、いずれの組に入ってしまうとそれで固定されてしまうニュアンスがありますよね。でも、これはアメリカにはない。一回負けたらすべて終わり、というコンセプトはアメリカにはないからです。負けるのもレッスンであり、悔しいけれど、ほかの競ったり挑戦する場に向けての糧になる、という意識がある」

 勝ち負けの捉え方が、実は日本とアメリカでは大きく違うということだ。アメリカでの勝ち負けのニュアンスは、日本の資格取得に似ているのではないか、と徳生は言う。

 「資格にも何級とかいろいろとランクがあって、努力をし続けることで進化していくわけですが、1度の資格試験に落ちたら何もかもおしまいだ、という人はいないでしょう。次のチャンスでまた頑張ればいいし、実際にチャンスはやってくる。アメリカの勝負で負けた時には、そういう感覚が持てるような気がするんです」

 もちろん勝ちにはこだわるが、負けや失敗も怖いものにはならない。だから、思い切ったチャレンジができる。それは、次の勝ちや成功のためのバネにできる、という意識があるからである。

 わずか数年のアメリカ暮らしで、徳生はこの感覚をいつの間にか持つようになっていた、というのだ。そしてこれが、後のキャリア形成をはじめ、思い切った選択、大胆な人生を可能にしていくのである。

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「大学で実感した米国の競争の厳しさと挑戦を促す風土」の著者

上阪 徹

上阪 徹(うえさか・とおる)

ライター

リクルート・グループなどを経て、95年よりフリーランスのライターに。経営、金融、就職などをテーマに雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がける。インタビュー集に『プロ論。』ほか。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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