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“小さなギリシャ”を抱えるスペイン

欧州ルポ:スペインとスイス編

  • 豊島 逸夫

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2012年12月7日(金)

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 スペイン国債利回りが過去最高水準を突破する引き金を引いたのがバレンシア州だ。同州政府が中央政府に財政支援を要請との報道が、不安材料として浮上した。

 スペイン財政危機の様相は、地方自治州という放蕩息子を持つ放蕩親父のようだ。中央政府のラホイ首相は、スペイン救済を討議する欧州連合(EU)首脳会談で、ギリシャやポルトガルとは別格扱いの「緊縮条件なし」という救済支援合意を取り付け、鼻高々だ。

 ところが地方自治州を救済する立場となるや、「厳格な財政規律条件と、経過報告義務の履行なしでは救済に応じられず」とかたくなだ。

 今回の火種、バレンシア州は、ラホイ首相率いる国民党(PP)が制する地域だが、地方財政不安が表面化するや、38人の中央政府閣僚の中でバレンシア州出身者は一掃され、距離を置く姿勢が明確になった。放蕩息子とは縁を切りたいという放蕩親父の本音が透けて見える。

 バレンシア州前知事のフランシスコ・カンプス氏は、今や、数々の収賄疑惑で裁判係争中の身だ。建設関連の不正融資疑惑、下水工事業者との癒着、F1誘致のため公的資金流用。極めつけは、カステロン地方空港建設だ。150億円相当を投じて昨年完成したものの使用開始の目途は立っておらず、放置されたままだ。

地方財政危機で学校が運営できない

 地方自治体が財政危機に陥ると、しわ寄せがまず弱者を襲うのも、洋の東西を問わず同じこと。バレンシア州では、学校への運営経費支出が滞り、2011年分の予算が2012年2月にやっと執行されたという。そのカネは、たまったツケの支払いで瞬時に消えた。

 そこで、当座の清掃費やら給食補助費やらは、保護者が一部出し合ってしのぐ。その保護者や生徒たちがデモをしたところ、警察に道路に押しつけられるという映像がTVで流れ問題化した。

 スペインの銀行危機と地方財政危機は表裏一体の関係にあるのだが、複雑骨折の症状がいよいよ顕在化してきた。地方自治体という「ギリシャ」を複数抱えるスペイン中央政府が発行する国債は「ユーロ共同債」のようなもの。そのテスト・ケースになるのだろうか。

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