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JR大阪三越伊勢丹、埋没の危機

巻き返しは「伊勢丹流」でなく「三越流」で

2012年11月13日(火)

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 まもなく、阪急百貨店うめだ本店のリニューアルグランドオープンの日がやってくる。10月25日にオープンした二期棟には、まだ施工中の区画があるため、これで本当の全館リニューアルオープンとなる。今回のリニューアルオープンに伴って、関西のアパレル業界の方から「JR大阪三越伊勢丹はどうなるのでしょう」と尋ねられることが増えた。

 前回も触れたが、JR大阪三越伊勢丹を運営するJR西日本は10月26日、JR大阪三越伊勢丹の売れ行き不振により、188億4100万円の特別損失を計上したと発表した。また三越伊勢丹ホールディングス(HD)も同様に特別損失を計上し、JR大阪三越伊勢丹の黒字化目標を4年後の2016年3月期とすると公表した。裏を返せば、今期を含めてあと3期は赤字が続く厳しい状況にあることが分かる。

 2011年5月に開業したJR大阪三越伊勢丹の当初の初年度売り上げ目標は550億円だった。しかし、実績はその目標を200億円以上下回ってしまった。この不振について様々な原因が挙げられているが、その1つとして「自主編集売り場」を指摘する声は多い。

「大阪の消費者が慣れていない」が不振の原因?

 現在の百貨店には、多くのブランドがテナントショップに近い形で出店している。「A」というブランドの商品は、その百貨店内ショップに行けば、一式そろえることができる。しかし、JR大阪三越伊勢丹の「自主編集売り場」は、ジャケットやコートといったアイテムごとに売り場を構成しており、「A」というブランドの商品もアイテムごとにバラバラの場所で売られている。この売り場形態に「東京の伊勢丹新宿本店では支持されているが、大阪の消費者は慣れていない」ことが不振の原因だとされている。

 JR大阪三越伊勢丹は「これが伊勢丹の強み」として、しばらくはこの売り場の形態を変えないことを今年8月の時点で明言している。また、「あの陳列の良さがわからない消費者はセンスがない」という意見もときどき聞こえてくる。

 オープン時の内覧会で売り場を見たが、確かに商品が美しく陳列されている売り場で、他店からもお手本になるようなディスプレイだと思った。自主編集でここまで美しく陳列できる百貨店はあまりないと思われる。しかし、それが受け入れられていないから、現時点での実績なのだろう。

 そもそも、伊勢丹流の売り場が成功している店が新宿本店以外にあるだろうか。店舗としては、JR京都伊勢丹が成功を収めている。しかし、現在のJR京都伊勢丹は伊勢丹流の「自主編集売り場」ではなく、従来型百貨店のテナントショップ形式が主軸である。

 以前、日経ビジネスオンラインの記者の眼で「『伊勢丹幻想』から脱せよ」という記事が掲載された。その中に、「バーゲン後ろ倒しをしても顧客が付いてくるのは伊勢丹新宿本店だけだとも感じている」という1文があった。これは、今夏に三越伊勢丹HDが主導した「バーゲン後ろ倒し」だけでなく、自主編集売り場についても同じことが言える。

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「JR大阪三越伊勢丹、埋没の危機」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官