• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

“長く深く”潜るコウテイペンギンの思いを探る

東京大学大気海洋研究所(2)

2012年12月4日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 塩見こずえさんは、現在、千葉県柏市にある東京大学大気海洋研究所に籍を置く、いわゆるポストドクターだ。日本学術振興会の特別研究員として支援を受けている。

 つくばエクスプレスの「柏の葉キャンパス」が最寄り駅で、まさに「郊外」という雰囲気の中に、大気海洋研究所はある。物性研究所、宇宙線研究所といった、東大の他の研究所と同じ敷地内に並んでおり、ガラス張りのビルに外側からあえて枠組を取り付けたような近代的な設計・デザインだ。なにしろ2010年に完成したそうだから、できたてのほやほやである。

 その一角に、バイオロギング研究をしている学生やポスドクの部屋があり、元締めである佐藤克文准教授の部屋の応接スペースを借りてお話を伺った。

 まず、コウテイペンギンを研究対象にするメリットを、塩見さんの観点から述べてもらった。これにはコウテイペンギンが、鳥類で一番の潜水能力を誇っていることが、大いに関係している。

(写真:藤谷清美、以下同)

「潜水時間は長くて27分以上、深さにして560メートル以上も潜った記録があります。何故そんなことができるのか生理学的な視点から重要な研究材料であることはもちろんなのですが、わたしの興味はちょっと違ってまして。潜水能力が高いって、その分、行動の選択肢も多くなるわけですよね。長く深く潜れたら、どこでエサをとるか、どれだけの時間潜っているか、いつどこで開氷部に向けて戻り始めるか、すべてにおいて選択の幅が広くなります。では、動物がどういうふうに意思決定をするのか、行動を決めるルールを見つけようと思ったとき、コウテイペンギンはよい研究対象なのではないかと思います」

 潜水能力が高いが故に、水中での行動の選択肢が増える。コウテイペンギンの場合、氷の上に開いた穴から海に入ることがあり、この場合、どこかで採餌を終了し、穴に戻って呼吸をしなければならない。その際の意思決定は、どんなルールに従っているのか。というのが、塩見さんがコウテイペンギンの研究を通じて明らかにしようとしたテーマだ。その結果はすでに一部論文となって、クリアな結論も出ているのだが、それは次回。

 ここでは先に塩見さんがバイオロギングの世界に足を踏み入れ、コウテイペンギンの研究に手を染めるまでのことを聞いておこう。

 はじまりは、京都大学農学部の学部生時代で、やはりペンギンがらみだったのだという。

2012年11月号特集「南極の海を飛ぶコウテイペンギン」
本誌では高速で泳ぐコウテイペンギンの秘密についてレポートしています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。ぜひあわせてご覧ください。

コメント0

「研究室に行ってみた」のバックナンバー

一覧

「“長く深く”潜るコウテイペンギンの思いを探る」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官