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8月に底を打ち、緩やかな回復へ

金融緩和と財政出動が投資を刺激

  • 瀬口 清之

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2012年11月29日(木)

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 中国経済は2012年8月をボトムに緩やかな回復局面に入った。第3四半期(7~9月)の実質成長率は7.4%。2010年第4四半期(同9.8%)以降、7四半期連続で低下しており、一見したところ厳しい状況に見える。しかし、月次データの変化を見ると、工業生産、固定資産投資、輸出、小売総額といった主要経済指標が、いずれも9月以降反転または上昇している(図表1)。

図表1 生産・輸出・投資・消費の月次推移(前年比%)

 こうしたマクロ経済指標の推移から見て、景気は8月で底を打ち、9月以降、回復軌道に入ったと見られる。多くの専門家が、2012年の成長率は通年で7.0~7.6%に着地、2013年は8.0~8.2%成長と予測する。

3つの景気押し上げ要因

 今後の景気押し上げ要因は、3つある。第1に、金融緩和を背景とする地方インフラ投資の増大である。2012年4月以降、中国の金融政策は引き締めから緩和に転じ、6月と7月に2か月連続で利下げを実施した。金融機関による貸出も、3月下旬以降、前年を上回る大幅な伸びを示している。貸出増加額の1~9月累計は前年同期比18.3%増となった。

 中国では多くの場合、地方政府が管轄するインフラ建設の財源は、地方政府が自ら金融機関から調達するケースが多い。日本と異なり、中央からの財政交付金には頼らない。このため、金融引き締めが続くと、金融機関が貸出に応じないため、インフラ建設に必要な資金の調達が難しい。4月以降の金融緩和によって資金調達が容易になった。

 加えて、中央政府が4月以降、地方のインフラ――地下鉄、高速道路、ダムなど――建設プロジェクトの着工を続々と認め始めた。これまで認めていなかったものだ。

 金融緩和と政府の許可という2つの追い風を受けて、インフラ建設工事の準備が各地で着々と進んでいる。これが今後の投資を押し上げる牽引車になると考えられる。

 加えて、2012年第4四半期以降、鉄道建設工事も徐々に再開されると言われている。2011年7月の高速鉄道の衝突脱線事故以来、実施が止まっていた。さらに、2013年は習近平政権発足の初年度となるため、国家プロジェクトとしての大規模なインフラ建設工事の着工が集中する。

 以上のように、金融緩和と財政の積極化を背景に、当面は、投資主導型の景気拡大が続くと予想される。足元の消費者物価が前年比2%増と安定しているのも、こうした景気拡大政策の実施にとってプラス材料である。

 第2の景気押し上げ要因は、不動産投資の拡大である。中央政府による不動産取引規制が依然として続いているが、5月以降、住宅販売価格が徐々に上昇しつつある。商品住宅販売価格を見ると、9月の成約価格は3月に比べて全国ベースで4.6%上昇した。他地域に比べて特に厳しい規制が早くから実施されていた北京、上海の上昇幅は大きく、それぞれ23.2%、18.1%上昇した。値上がり前に不動産を購入しようとする人が増えることから、不動産投資も徐々に回復に向かいつつある。

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