• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

時には宇宙のスケールで、小さな人間社会の悩みを考えたい

「意思決定に悩んだ時、背中を押してくれるこの本」後編

2012年12月3日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 こんにちは。さて本コラムはテーマに合わせて、日々の悩みや活動に一服の清涼剤を与えてくれそうな本をご紹介するコラムです。今回のお題は前回に引き続き「意思決定に迷った時に読む本」ですが、冒頭、少し脱線したいと思います。というのも今、日本人にとって大変重大な意思決定が控えているからです。衆議院議員選挙です。12月4日に衆議院議員選挙が公示されますね。

 よく、「信用のおける政治家がいないので選挙に行く気がしない」という意見が聞こえてきますが、私はこうした意見に対してはずっと「そもそも前提がおかしい」と感じてきました。学生時代に読んだ書物で、確か英国の名宰相、ウィンストン・チャーチルが次のようなことを言っていた記憶があります。「選挙というのは、信用のおけない人たちの中から、相対的に良さそうな人を選ぶ行為」だと。(書名がどうしても思い出せないので申し訳ないのですが…)

「多数の人を長時間だまし続けることはできない」

 またこちらも、恐らく米国の大統領リンカーンが演説で言ったことだと思うのですが、民主主義の前提は何かについて、確かこう述べていました。「多くの人を長時間だますことはできないという経験則を人間が信じるから、民主主義は成り立つ」と。多数の人を短時間だますのはカルト集団で、歴史的にはナチのような集団が浮かびます。しかし多数の人を長期間だますことはできないから、民主主義という制度が残ってきた、というわけです。

 確かに民主主義はまどろっこしく、複雑です。でもここでイライラせず、東西問わず古典のエピソードを思い出してみましょう。時の権力者は実に冷酷に、気にくわなければ簡単に、あっけないほど簡単に、老若男女かまわず人を殺してきました。簡単に言えばそれは法律がなかったからです。気に入らなければ簡単に人を殺してしまうような権力の恣意的な暴力をどうコントロールするか、長い間試行錯誤してきた結果、今の民主主義があるのです。

 法治国家や色々な制度というのは、結局は「刀」を持った権力を制肘するためにある。権力の恣意によって殺されない、普通の人が普通に暮らす世界をつくろうと苦闘してきたのが人間の歴史です。そうした歴史観を持たないと、ただ目の前の現象を見て「何も決まらない」といらつき、よく検証しないままに何か物事を大胆に、スピーディーに決めてくれそうな人に流れてしまいがちです。

 民主主義というのは、安全と引き換えに大変コストのかかる仕組みなのだということを踏まえて、とにかく冷静に考えて投票したいものです。

 さて、前置きが長くなりましたが今月の推薦書へと参りましょう。

コメント0

「出口治明の「ビジネスに効く読書」」のバックナンバー

一覧

「時には宇宙のスケールで、小さな人間社会の悩みを考えたい」の著者

出口 治明

出口 治明(でぐち・はるあき)

ライフネット生命保険会長兼CEO

1948年生まれ。京都大学を卒業後、日本生命保険に入社。同社を退職後、2006年にネットライフ企画設立、代表取締役就任。2008年にライフネット生命保険に社名変更。2013年6月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

定年後の社会との断絶はシニアの心身の健康を急速に衰えさせる要因となっている。

檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師