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誰も本当の事を言わない“甘言選挙”

「さらなる増税」もなし、「年金」「医療費」の圧縮もなし

2012年11月30日(金)

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 安倍晋三総裁率いる自民党が発表した政権公約(マニフェスト)。自民党内で評判が悪い小泉・竹中改革を彷彿とさせる「構造改革路線」と共に“封印”された言葉がある。「社会保障費圧縮」だ。

 2006年から2007年にかけての安倍内閣は、小泉構造改革を引き継ぎ、増え続ける医療費や年金など社会保障費を圧縮することを掲げた。ところが、政権復帰を目指す安倍自民党の公約からは、すっかり抜け落ちている。

 政権公約で社会保障に対する方針を示した「安心を、取り戻す。」という項目には、こう記されている。

 みんなが安心できる持続可能な社会保障制度に向けて、「自助」・「自立」を第一に、「共助」と「公助」を組み合わせ、弱い立場の人には、しっかりと援助の手を差し伸べていきます。

 これでは具体的に社会保障制度をどう変えていこうとしているのか、皆目分からない。実は、安倍自民党が「構造改革」や「社会保障費圧縮」という、国民に痛みを求める政策を、公約から排除した背景には、前回の選挙でのトラウマがある。

 2009年の前回の選挙では、政権交代を目指していた民主党から、構造改革こそが「格差拡大」の原因だと攻撃され、社会保障費の圧縮が「医療崩壊」を生んだと責められた。「自民党は弱者切り捨てだというイメージを作られたことが総選挙で惨敗し、政権交代を許した大きな要因だった」と自民党の現職議員の多くは信じているようなのだ。だから、今回の選挙では口が裂けても「社会保障費を圧縮するとは言えない」というわけだ。

次の大きな課題は「社会保障」なのだが…

 衆議院が解散され、総選挙に向けた各党のつばぜり合いが続いている中で、各党各会派が掲げる政権公約が出そろいつつあるが、いずれも、選挙民の耳に心地よい“甘言”ばかりが目立つ。現職議員が再選されて国会に戻ってくることが最優先され、堂々と真正面から主義主張を展開することを避けているようにさえ見える。ましてや、国民に痛みを訴えることなどほとんどない。

 だが、日本が直面する国家財政の危機は、そんな甘い政策では到底乗り越えることができない段階に達している。耳に心地よい政策には必ずおカネがいるのだが、一方で、簡単に財源が出てこないことは民主党の3年あまりの政権で立証されている。

 「消費税増税」を決めた社会保障・税の一体改革法案が成立した現段階で、次の大きな課題が「社会保障」にあることは多くの政治家が分かっている。少子高齢化が進む中で、毎年1兆円近く、社会保障費が増えていくのをどうするか。2006年の安倍内閣は党内外の反発を押し切って「社会保障費を2200億円圧縮」することを決めた。

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「誰も本当の事を言わない“甘言選挙”」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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