• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「解決不能な高齢化」が中国を襲う

『老いてゆくアジア』の大泉啓一郎氏に聞く(下)

2012年11月30日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

中国の高齢化はどうなる。日本に処方箋はあるのか――。前回に続き、大泉啓一郎・日本総合研究所上席主任研究員と鈴置高史編集委員が「老いてゆくアジア」を話し合った(司会は田中太郎)。

「尖閣」で関心高まる中国の高齢化

鈴置:「尖閣」での鍔迫り合いが始まった後、中国の高齢化に関心を寄せる日本人が増えました。「中国の軍拡に対抗するには我が方の予算――経済の規模拡大が不可欠だ。しかし、少子高齢化でそれは難しい。ただ、中国だって少子高齢化で成長が頭打ちになる日が来るはず。そこまでじっと我慢する手もある。では、それはいつだろう」――という思考経路です。

大泉:私も、そんな問題意識からの質問を受けるようになりました。では、グラフ1をご覧ください。韓国ほどの速度ではないにしろ、中国の高齢化もこれから加速します。2010年の高齢化率――65歳以上の人口が全人口に占める割合――は8.2%。これが2020年には12.0%、2030年には16.5%まで上昇します。

グラフ1:日中韓の高齢化率の比較
注:65歳以上の高齢者が7%以上を「高齢化社会」、14%以上を「高齢社会」といい、高齢化の進み具合を示す目安になっている
出所:国連「World Population Prospects:The 2010 Revision」から大泉啓一郎氏作成

 実数で言えば高齢人口は、2010年時点で1億2000万人、2050年には3億3000万人に達します。この時点の高齢化率は25.6%です。

3億3000万人の高齢者の国

中国の高齢化にも恐ろしいものがありますね。「比率」が高いだけではなく、総人口が大きいだけに「実数」が巨大です。

鈴置:一つの国に65歳以上の人――生産をほとんど担わない人――が3億3000万人もいるなんて想像できません。歴史始まって以来の現象でしょう。

大泉:そこが注目すべきポイントです。さらに、中国の高齢化の問題解決を困難にする事実があります。高齢化が著しく進む地域が、所得水準も生産性も極めて低い農村部だということです。

 日本や韓国では戦後のベビーブーム世代――一つの塊(かたまり)と見なすと分析しやすいので、私は「人口塊」と呼びます――が田舎から出て来て、今も都会に住んでいます。一方、中国の「人口塊」は農村にとどまったままなのです。

コメント5件コメント/レビュー

この記事内容は素直に評価する。(2012/11/30)

「早読み 深読み 朝鮮半島」のバックナンバー

一覧

「「解決不能な高齢化」が中国を襲う」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

この記事内容は素直に評価する。(2012/11/30)

年金収入を見込んで高齢者を低賃金で雇う動きがすでに定着しています。ここでもボランティア、無料奉仕の話が出てきますが、できうれば収入が必要な人から雇用を奪うのではなく、年金という安定収入源を基にリスクを取って事業を起こし、雇用を生み出すところまでいってほしいと思います。(2012/11/30)

都会に出た子が田舎の親を見ないのは、ある意味、教育・生活面で日本も同じと言えましょう。ただ、日本人の方が情に厚い(というか、あちらの方が利己主義が酷いだけですが)せいで、まったく見ないひとばかりではないという言い方ができるだけでしょう。●私も姥捨て山は予想しています。ただ、それで解決するのは短期的に「比率」の問題であって、切り捨てて残った方も結局は高齢化します。さらには「6つの財布」で甘やかされてきた連中が今後増える一方で、彼らは軍隊でがんばれるのでしょうか。無理だと判っているからカネになる原油などを横取りするために、パスポートの国境線まで変えているのだと思いますよ。●グラフ5は良いですね。チャイナリスク以前に上海の賃金が3倍になったということですから、尖閣暴動以降の懸念から日本以外も含めた他国籍企業の南アジア移転が促進されるものと思われます。となれば、切り捨てて残った方も賃上げは困難。●ルイスの転換点だけに限れば、当面は「移動距離」が短くなるので、私の意見では未到達です。移動距離とは重慶から上海ではなく、上海の山側から海側へという感じで。日本でも九州や東北では、若者が職を求めて移動する際、東京を目指す前に大阪や仙台を目指す者が少なからず存在します。その大阪からは東京を目指し始めています。ただ、だからと言っても年の労働者不足は異なる理由で解消します。前述のとおり、他国籍企業が脱出するのですから。近年中にデフレが始まりますよ。●だからといって、相手の老朽化を待てるほどの年数が与えられていません。尖閣に限れば、日本も近日中の軍備増強は必要でしょう。(2012/11/30)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長