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大船渡市の近郊にメガソーラー発電所を造る

  • 宮田 秀明

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2012年11月30日(金)

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 大船渡市の北西に、花の百名山の1つ五葉山がある。この中腹の標高400メートルぐらいのところに五葉牧野という放牧地がある。ここがメガソーラー発電所の候補地になった。

 環境未来都市にとって再生可能エネルギー発電は欠かせないアイテムだ。いろいろな再生可能エネルギー発電システムがある中で、気仙地方にとって最も現実的な選択肢は、太陽電池によるメガソーラー発電所である。

 この地域は風力発電の適地とは言えない。岩手県の臨海部は南に行くほど風が弱くなる。稀少種のワシの保護など解決しなければならない環境問題も多い。洋上風力発電も同様だ。岩手沖の太平洋は水深が深く、着床式の風力発電所は建設できない。浮体式の洋上風力発電所はまだ技術開発の途上だ。技術が確立しても、発電コストが高く採算に乗りにくいだろう。

 一方、太陽電池による発電には、今年になって追い風が吹いている。太陽電池の価格が急落しているのだ。技術的に見ても比較優位がある。パネルを設置しておけば、燃料はもちろん、何の動力もなしに発電できる。日中しか発電できないものの、リチウムイオン電池による蓄電を組み合わせれば、大変スマートなシステムになる。

 太陽電池もリチウムイオン電池も一種の塗布技術を用いて生産する。塗布技術による大量生産品は、DRAMや液晶パネルと同じように確実に価格低下が進むだろう。太陽電池はもうその流れの真ん中にある。リチウムイオン電池も後を追うだろう。太陽電池とリチウムイオン電池の組み合わせが持つ競争力は大変高い。だから気仙広域環境未来都市プロジェクトでもメガソーラー発電に重点を置いている。

五葉山は送電設備に近い

 6月から7月にかけて、五葉牧野のほかにも2か所の山地を調査した。五葉山より東よりの夏虫山と大窪山にも、同じような南向きの緩斜面があって放牧地になっている。しかし、この2か所にはいくつかの問題がみつかった。霧が発生しやすいので、十分な日射量を確保できない問題がある。冬場は道が通行止めになるので、メンテナンスに問題が生じる。さらに高圧送電線から遠いので建設費がかさむ。事業採算性に問題が出そうだ。高圧送電線を1キロメートル建設すると1億円ぐらいかかってしまう。

 五葉牧野にはこうした欠点がない絶好の候補地である。放牧地ではあるが、現在はセシウムに汚染されているので、放牧を中止している。何よりも高圧送電線が近くを通っているのがよい。6万6000ボルトと15万4000ボルトの2本がある。このうち6万6000ボルトのものは、候補地をかすめるように通っている。県道が近くを通っているのでアクセスも容易だ。

 近くにはダム湖があって、五葉温泉もある。花の百名山の一つだから、花の季節は美しいところなのだろう。ソーラー発電所が加わって名所になるかもしれない。

 8月までにAチームのM社が中心になり、面積65ヘクタールの五葉牧野を何度も調査した。その結果、この放牧地を自然環境維持型のメガソーラー発電所とする計画が持ち上がった。起伏のある地形にあまり手を加えず、太陽電池のパネルをテーブルのような構造物の上に乗せる。岩盤が出ていたり、木が生えていたりする、工事が大掛かりになるところを使わなくても、18メガワットのメガソーラー発電所を造ることができる。これは、現在稼働している日本最大のメガソーラー発電所と同じ規模で、大船渡市の電力の10%以上をまかなえそうだ。

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