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野田佳彦が総選挙で仕掛ける民主党の「清算」

政権交代という「坂の上の雲」(後編)その1

  • 村井 哲也

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2012年12月6日(木)

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前回より続く)

総選挙を呪縛する2009年8月

 ついに首相の解散権が行使された。その決断には様々な議論が出たが、それが民主党政権の清算まで射程に入れたものなら話は違う。野田佳彦は、最高権力を失う恐怖を振り切って勝負に出た。いずれにせよ幕を開けた2012年12月の総選挙は、改めて意思決定システムの構造的矛盾をあぶり出す契機となるだろう。

 始まりは1993年7月の総選挙だった。冷戦終結とバブル崩壊で、自民党政権のシステムは機能不全となった。ここから非自民の枠組みで、小選挙区制の導入が唱えられる。その先にある政権交代で、やがて意思決定は機能するはずだった。それこそが、戦後国家が最後に目指すべき「坂の上の雲」だったからだ。

 この総選挙では、父・角栄の地盤だった新潟三区から田中真紀子が立候補している。最初に訴えたのは、脳溢血で倒れた角栄の介護体験。福祉問題にこそ税金の使い道がある、生活に政治の光が当たってない、と。真紀子支援に回った旧越山会幹部は指摘する。

「旧越山会の連中は、『それじゃ、公共事業はどうなるんだ』というんだね。でも、公共事業は角栄時代におおむねやってしまったんだ。あとやるべきことといえば、『改修工事』があるだけなんだね…いままで新潟の貧しさは公共事業で手術した。これからは新潟でも、貧しさというのは福祉なんだよ」

 政権交代を実現した民主党の、いや、戦後国家の切ない「坂の上の雲」を予見している。ひとになぞらえると明治国家の寿命は77才だった。1993年に生産年齢人口がピークに差しかかった戦後国家は、2009年に“年金受給年齢”を間近に控えた64才となった。高齢者人口は13.5%から22.7%。つまり、この16年で日本政治は本質的な変化に晒されていた。

 高齢社会など、初めから分かっていたことだ。だが、日本政治はこの本質から目を逸らしてきた。坂の途上から政権交代は自己目的化し、その手段だったハズの意思決定改革は空疎になっていく。当たり前だ。意思決定システムとは、それぞれの時代が求める目的に合わせ、常に変化すべき「生き物」なのだから。

 野田佳彦は、希望のない選挙戦から民主党政権をどう清算するつもりなのか。安倍晋三は、保守理念と公共事業で物事が動くと本気で思っているのか。橋下徹は、どこかで見た手段の自己目的化に陥っていないか。総選挙の争点は一向に見えない。あえて今回は、その呪縛となった2009年8月の総選挙への道程を振り返る。

コメント5件コメント/レビュー

なるほど有権者ニーズから見ると面白いですね。民主党もここで純化されたから、まとまるんじゃないですか。菅氏が出て行かないのがたまに傷ですが。 個人を選ぶ選挙だから、個人的な約束と党の方針とが平気でずれたりする。これが政策を前へ進ませない原因のひとつ。選挙区から選ばれた個人を党が否定できない。本当の政党政治なら完全比例制がいいと思うが。党の政策を選ぶのであって、個人を選ばないから、個人の馬鹿さには振り回されない。党に団体責任を取ってもらう。そういう党間の競争が促進されると政治も前に進みやすいんじゃないですか。小党乱立の烏合の国会になったら、それだけ価値観と選択肢がが多様な自由な国なんだとあきらめて、アスタマニャーナで生きましょう。(2012/12/06)

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いただいたコメント

なるほど有権者ニーズから見ると面白いですね。民主党もここで純化されたから、まとまるんじゃないですか。菅氏が出て行かないのがたまに傷ですが。 個人を選ぶ選挙だから、個人的な約束と党の方針とが平気でずれたりする。これが政策を前へ進ませない原因のひとつ。選挙区から選ばれた個人を党が否定できない。本当の政党政治なら完全比例制がいいと思うが。党の政策を選ぶのであって、個人を選ばないから、個人の馬鹿さには振り回されない。党に団体責任を取ってもらう。そういう党間の競争が促進されると政治も前に進みやすいんじゃないですか。小党乱立の烏合の国会になったら、それだけ価値観と選択肢がが多様な自由な国なんだとあきらめて、アスタマニャーナで生きましょう。(2012/12/06)

日本維新の会は、日本の改革が可能となる、マンネリ・時代遊離の中央集権制から地方分権制(国のかたちを変える)への基本は分裂していない。東京都と大阪府の運営経験のある実力党代表と代表代行が牽引してこそ実現が期待できる。他の政策についての発言は、時間切れもあり調整不足、混乱的印象も与えるが党内統治法(議論した後は多数決に従う)は、民主党を反面教師として確立されている。(2012/12/06)

安倍氏(自民党)批判に近いコメントをしたせいか,参考にならなかったという票が多いようだ。しかし,政治において民意が全て正しいとして多数決的な動きをすると間違った方向に進むこともあるだろう。消費税もそうだったが,痛みを伴わない改革はあり得ない。殊人口減少・エコが叫ばれる昨今において2%の継続的なインフレなど維持できるはずもなく,それを指摘しない学者たちもどうかしている。いい加減,好況が長続きする資本主義経済は終焉を迎えたことを国民も自覚するべきだし,政治家も正直に言うべきだ。自民党が政権を取れば,日本の退廃に加速がかかるかもしれない。(2012/12/06)

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