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目からウロコの不眠症治療法

国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠学(4)

2013年1月10日(木)

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 一般に流布されている「理想の睡眠は8時間」というのは間違いで、それだけ長い間眠ることができるのは、中学生くらいまでだそうだ。その人がまだ眠りを必要としているかどうかは、脳波の測定で分かり、成人後は7時間台、70歳で6時間くらいというのが平均値だ。しかし、日本では、「8時間神話」が根強いのか、眠れないのに眠ろうとする人が多いという。

 不眠症について質問した時、三島さんがまず強調したのは、まさにその件だった。

(写真:藤谷 清美、以下同様)

「70歳近くなると、正味6時間くらいしか眠れないというのは、つまりそれで充分ということなんですね。だけど日本の65歳の人は、平均で寝床に9時間もいるんです。だから、3時間は寝床にいても眠れなくて、いったん眠ってもトイレに行った後しばらく起きていたりとか、そういうことを繰り返している。そんなの不眠が悪くなるに決まってるんですね」

 眠れないのに寝床に長い時間いるから不眠が悪くなる。

 これはどういうことなのだろう。

 眠れないから不眠、というふうに理解していたわけだが、それは筋が悪い、と言われているようで、居心地が悪い。よくよく聞くと、どうやらそのあたり非常に大切なポイントのようなのだ。

 やはり、分かりやすいのは、お年寄りの例。

「高齢になってくると、昼のことはさておいて、とにかく今日眠るまでに何分かかるとか、トイレに何回立つとかにこだわりある人が多いんです。でも、夜中に5回6回トイレに行って問題なく昼間生活できれば、まったく構わないんですね。逆に、眠りの時間や夜中のトイレの回数を数え始めて、減点法で考えてしまうといけません。原発性不眠症と言いまして、本当は問題なく眠れているかもしれないのに、何回目がさめたとかトイレに何回立ったとか数えて、そういうことばかり気にするようになる、まさにそのときが不眠症なんです。気にしないで日中、元気にしている人は、何回目が覚めたところで不眠症とはいいません」(註:「原発性」とは、ほかに何か病気・原因があって二次的に誘発されるのではなく、まさに不眠症自体が第1の症状であるような場合を指している。医学ではよく使われる言葉だ。紛らわしいけれど原子力発電所とはまったく関係ない)

 不眠症は「眠れる/眠れない」の問題ではないと聞くとなにか語義矛盾のようで不思議な感じだが、そういうことなのだと納得するかない。

 とすると、昔から言われる「眠れない時は羊を数える」というのはダメな感じがする。羊の数が積み重なるとどんどん「眠れない点数」がアップしていき、どことなく強迫観念的になってしまう。

「たしかに、だめですね。英語ですと、sheep、シープ、シープで、sleep、スリープ、と似てるんで、まあゴロで言ってたわけです。日本人がヒツジとかって、読みづらいですよね(笑)。いずれにしても、それでは眠れませんから」

8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識
川端 裕人(著)、三島 和夫(著)

 睡眠の都市伝説を打ち破り、大きな反響を呼んだ「睡眠学」の回が、追加取材による書き下ろしと修正を加えて単行本になりました! 日々のパフォーマンスを向上させたいビジネスパーソンや学生はもちろん、子育てから高齢者の認知症のケアまでを網羅した睡眠本の決定版。睡眠に悩む方々は、本書を読んでぜひ理想の睡眠を手に入れてください。

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「目からウロコの不眠症治療法」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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