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北朝鮮がロケットを発射した3つの狙い

金正恩第1書記に振り回された韓国政府

  • 武貞 秀士

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2012年12月17日(月)

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 12月12日午前9時49分ごろ、北朝鮮は北西部の東倉里の衛星発射場からロケットを発射し、その映像を公開した。予告していた通りの3段式だった。北朝鮮は「衛星発射に成功し、予定通りの軌道に乗った」と発表した。国際社会の反対を尻目に、なぜ発射したのだろうか。北朝鮮の狙いは1つではない。

 第1に軍事的な狙いがある。ロケットの技術はミサイル技術と同じだから、今回の発射の狙いは軍事的な狙いが最も大きい。北朝鮮は軍事戦略の観点から大陸間弾道ミサイルの発射を成功させる必要性がある。米国本土の東部に届く大陸間弾道ミサイルを完成させて核抑止力を完成させ、米国と「対等の関係」を築くこと意図している。1万2000キロを飛翔して、ニューヨーク、ワシントンまで届くミサイルを持てば、米朝は戦わずに済むと思っている。

 金正恩第1書記をトップとする北朝鮮指導部は「米国は、自国の心臓部が危険にさらされる時、朝鮮半島有事に米軍が軍事介入して南北の仲裁をするのは割が合わないと考えるに違いない」と計算しているのだ。つまり、米国を中立化し、介入を阻止し、労せずして半島を統一するための決定的兵器が、今回の大陸間弾道ミサイルである。米国と戦争をしなくてすむシナリオを完成するための手段であるわけだ。だから北朝鮮が、なにがなんでも3段ロケット、3段目に必要な固体燃料技術、ミサイルの大型化、誘導技術の向上を実現する必要がある。

 今回のロケット発射は成功したと言える。北朝鮮が発射した3段ロケットの残骸は、ほぼ、予定の海域に落下している。3段ロケットの技術が着実に進んでいるのだ。確実に射程を延長して、今度は2段目と3段目も切り離した。3段目には固体燃料を使用しているだろう。誘導技術、燃料系統の技術、本体の合金の質を向上させ、人工衛星も発射した。北朝鮮は4月の発射失敗のあと、着実に技術を向上させたのである。

 北朝鮮のメディアは「人工衛星の打ち上げに成功した」と伝え、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)も「(人工衛星の)軌道に乗ったとみられる」と発表した。

 北朝鮮は、核弾頭を搭載したミサイルの改良作業と実験をあきらめることはない。北朝鮮が1948年の建国以来、追求してきた「北主導の統一のための究極的手段」だからだ。その技術の大半をマスターしたことが今回明らかになった。あとは、弾頭の小型化、ミサイルを大気圏に再突入させる技術、ミサイルの大量生産(米国もアラスカで迎撃する態勢を整えているので、2けたの数が必要)を目指すだろう。

韓国大統領選で北に融和的な野党候補を後押し

 第2の狙いは、金正日総書記の後継者としての権威を高めることである。12月17日は金正日総書記の死去から1年目に当たる。ミサイルと核の開発は金正日総書記が指揮した事業だ。4月13日に打ち上げ失敗したまま、12月17日の金正日総書記死去一周忌を迎えることはできない。だから12月1日の打ち上げ通告に際して、金正日総書記の遺訓に言及したのだった。打ち上げ成功を発表した北朝鮮のメデイアは、ミサイル開発が金正日の遺訓であったことを強調した。

 第3の狙いは、韓国大統領選挙で、野党候補である文在寅候補が有利になると、北朝鮮が計算していることだ。打ち上げ準備の過程で誤認を誘うような仕掛けをして、韓国国防部、韓国情報機関(国家情報院)などの情報処理のミスを誘えば、李明博政権への批判が起きる。だから、12月1日に打ち上げを予告し、12月10~22日という長い「打ち上げ期間」を設定して、12月19日に行われる韓国の大統領選挙に与える影響を、平壌から観察できるようにした。

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