• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

遺伝子組み換え作物がサバンナの植生を消してしまう?

農作に不向きだった土地にも人の手が入り込む

2012年12月28日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2012年9月20日、都内で日本消費者連盟などが主催した「遺伝子組み換え作物の今」という小規模の報告会に参加した。

農家の夢、病害虫や冷害に負けない作物

 誤解しないでほしいが、私は遺伝子組み換え作物に闇雲に反対するものではない。それどころか私はバイオブームに沸きかえる1985年に大学の農学部に入った人間である。それは組織培養やクローン、遺伝子組み換えが夢のテクノロジーとして語られていた時代でもある。遺伝子組み換え作物に対して単純に敵愾心を持つことができない世代と言ってもいいだろう。

 その一方で、茨城県つくば市の東の玄関口である牛久町(現在の牛久市)に実家がある身には、1980年前後に、筑波研究学園都市に向かう道路沿いに立てられた無数の「P4施設建設反対」の看板にぼんやりとした恐怖を感じていたことも事実なのである(隔世の感ありです)。

 遺伝子組み換え作物使用、未使用を厳密にチェックして食品を選んだりするほどではないが、かといって推進論者でもない。どこにでもいるマジョリティの消費者というのが私の立場だと思う。それがなぜ、遺伝子組み換え反対の人々が集まるだろう報告会に参加したのか、というのが今回のテーマであり、謎である(笑)。

 報告会の開催予告サイトを見てもらいたい。URLアドレスからしてちょっと過激な感じがする。「NPOが苦手」を自任する<注1>私などそれだけで苦笑してしまうが、報告会のプログラムは以下のようなごく真っ当なものであった。

<注1>マレーシア時代に非常に不愉快な思いをしたことによる。もちろん尊敬すべき活動や人の方が多いのだが、「自分たちは正しいので周りの人もそれに従うべきだ」という傲慢な考え方をする人が少なくないのもまた事実だろう。「生物多様性至上主義者」である私も人からそう思われているに違いない。

 ここで大きく脱線するが、そもそも遺伝子組み換え作物は病害虫乾燥冷害に対する耐性を持つ遺伝子を組み込んで、どんな環境下でも栽培できる作物を作り、農家を助ける、あるいは食糧不足に備える、というものだったと思うのだ。それはその頃の農業従事者の夢であった。だからこそ遺伝子組み換えの開発者の努力をたたえ、権利を保護するために特許が認められたわけですな。ここまでは美談です。

 しかし、開発者サイドからすれば種子ビジネスで問題なのはリピーターをどう確保するか、である。厳しい環境を生き抜く、商品価値の高い作物の種を、自分の栽培した作物から採種(種を取ること)されてしまっては、種子ビジネスは成り立たなくなってしまう。「この果物、品質はいいし、手間要らずだし、ほんとにいいから種を取ったら〇〇さんにも送ってあげよう」では困るのだ。

「生物資源ハンターがジャングルを行く」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授