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「魚は手をかけない方がいい」

「関さば」「関あじ」を生んだ大分県漁業協同組合佐賀関支店・その2

2013年1月17日(木)

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 佐賀関の海は瀬戸内海と太平洋に挟まれ、潮の流れが速い。海底の起伏も複雑で、餌となる生物も多い。このため、サバやアジも基本的に回遊することがない、いわゆる瀬付き魚である。身が引き締まっているだけでなく、太っていて美味しい。しかし、どんなにいい個体の魚が獲れたとしても、これはどのような生鮮食料品でもそうだが、流通の過程で時間が経過していく中で、品質がどんどん劣化していく。

 特に生鮮魚介類を大規模流通に乗せようとすれば、大規模に漁獲しなければならない。そのためには網でまとめて魚を獲る必要がある。しかし網で獲った魚は擦れ、また潰され、さらに船の中で氷に付けられ野締めしなければならない。そこから市場で競りにかけられ、仲買業者によって引き取られて各地の食品スーパーや飲食店に運ばれていく。

 このような方法で扱われた魚はエンドユーザーに届くまでに長い時間がかかるだけでなく、丁寧に扱われていないことから腐敗も早く進行し、消費者は理想的な状態で食べることができない。つまり、魚のおいしさという「品質」には個体差だけでなく、流通過程における様々な作業プロセスが大きく影響しているということである。

 今回は「関さば」「関あじ」で有名な大分県漁業協同組合佐賀関支店(通称・佐賀関漁協)による、おいしさを極限まで高める作業方法の改革努力を紹介したい。

生きた状態で仲買業者へ

 佐賀関では昔から一本釣りを行う漁師が多くいた。かつては網漁をする漁師との間で、たびたびトラブルになっていた。そのため現在、佐賀関地域では、網漁は海岸地域の一部を除き小規模でしか行われていない。したがって、関さばや関あじは手釣りによって獲られている。

 釣った魚のその後の取り扱いも他の地域と異なる。一般的な漁協では漁師が獲った魚を野締めし、翌朝の市場に死んだ状態で出し、そこで仲買業者が競って食品スーパーや飲食店等に流通させる。これに対して佐賀関では漁業者が魚を市場に出荷しない。漁師は日中に釣った魚をその日のうちに生きたままの状態で、事前に決めた単価で仲買業者に買い取ってもらう。

 魚には1匹ずつ個体差がある。海底地形の起伏や潮の流れの違いから、漁礁によって食べている餌が微妙に違うので魚の味も変わる。季節によって味も変化する。関あじであれば、小さいのは200グラムほど。大きいと700~800グラムのものもある。関あじは4~6月が産卵期で、その時期を過ぎた頃に脂がのって美味しくなるという。関さばは11月後半~3月に脂がのる。

 魚の中の状態を直接見ることは実際にできないので、生きた状態のままサイズと形を見て仲買業者が買い取る。一般には短くて丸い魚の方が細い魚に比べ脂成分が多いと考えられているが、切って開いてみなければ分からず、こればかりはエンドユーザーが最終的に評価せざるを得ない。

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「「魚は手をかけない方がいい」」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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