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デザイナーズブランドが育たない日本

デザイナーの力量だけでは解決できない欧米との格差

2013年1月22日(火)

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 デザイナーズブランドのビジネス展開について、考えさせられるブログ記事があった。台東デザイナーズビレッジの鈴木淳村長が1月8日に投稿した記事である。

 これは、繊研新聞に掲載された昨年秋の東京コレクションの総評に対する反論である。日本のデザイナーズブランドビジネスの厳しい、というかお寒い現状がよく理解できる内容だといえる。

 パリコレクションを頂点とする欧米のコレクションショーは毎年、春と秋の年2回開催される。日本の東京コレクションもこれに倣っている。パリコレクション、ミラノコレクション、ニューヨークコレクションではデザイナーズブランドやラグジュアリーブランドが半年先のスタイルをショー形式で発表し、それをバイヤーが買いつける。欧米のコレクションショーではそこでかなりの金額のビジネスが成立する。まずこの背景を押さえておく必要がある。

 その上で、繊研新聞の記事から引用する。

 13年春夏のデザイナーズコレクションを振り返って、欧米のファッションデザインと東京の間にある大きな差に改めて考えさせられた。
 服を作る技術、新しい美しさを追求する意欲や才能において、東京のデザイナー達のレベルが下がっているように思える。その根本的な理由はファッションデザインをビジネスにする構えの違いにある。
 パリやミラノのショーでは、百貨店の執行役員クラスが「フロントローの席よこせ」と盛んにブランド側に要求する。しかし東京コレクションでは、百貨店の執行役員の姿をほとんど見かけることはない。それは百貨店の幹部クラスがネゴシエーションをしたくなるほどの緊迫したビジネスが背景に無いからだ。主要ショップのバイヤーさえもほとんど見に来ないとなると、やはりビジネスのツールとしてのファッションショーになり得ていないと言わざるを得ない。

欧米巨大企業と渡り合えるのはファーストリテイリングだけ

 鈴木さんはこれに対して反論しているのだが、この繊研新聞の論調には正しい部分もある。しかし、それは東京コレクションがパリコレクションと同じ社会的土壌に支えられているという前提がある場合だ。

 日本のファッションビジネスの現状は欧米とは大きく異なる。鈴木さんは、まず欧米ブランドと日本のアパレル企業の年商規模を比較している。LVMH(傘下ブランドはルイ・ヴィトン、ブルガリ、ディオールなど)が2兆7000億円、PPR(グッチ、サンローランなど)が1兆4000億円、リシュモン(カルティエ、モンブランなど)が1兆100億円である。

 対する日本のアパレルはトップのファーストリテイリングが9286億6900万円(2012年8月期連結)、ワールドが3000億円、オンワード樫山が二千数百億円という具合だ。

 欧米の巨大グループに対抗できるのは日本ではファーストリテイリングのみである。ちなみに国内デザイナーズブランドの年商規模はというと、コムデギャルソンが200億円、イッセイミヤケが約95億円であると鈴木さんが記している。東京コレクションブランドは1000万~3000万円だそうで、これは筆者が耳にしたことのある数字とほぼ重なる。

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「デザイナーズブランドが育たない日本」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長