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国の会計基準では、老朽化した首都高速を再建できない

国会主導で「公会計基準」づくりに動け

2013年1月25日(金)

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 昨年12月に発生した中央高速道路笹子トンネル天井板崩落事故は日本の基幹インフラの老朽化が進んでいることを証明する結果となった。

 トンネルの天井板のコンクリート板がおよそ130mにわたって落下、走行中の車を巻き込んで死傷者が出した事故である。安倍晋三内閣は「国土強靭化」を掲げ、「必要な公共事業はやる」方針を示しているが、さっそくこうした基幹インフラの抜本的な設備更新、つまり作り直しが大きな課題に浮上している。

 一部のメディアやネット上で、「笹子トンネル事故は日本道路公団民営化のツケだ」という声が上がっている。全国の高速道路を一体となって建設・運営・管理していた道路公団は2005年に民営化され、施設の管理運営や建設については、東日本高速道路(NEXCO東日本)・中日本高速道路(NEXCO中日本)・西日本高速道路(NEXCO西日本)に分割譲渡された。民営化したために、管理点検が甘くなり、事故につながったというわけだ。

 今回の事故が起きたのは中日本高速道路の管理下で、遺族からは同社の責任を追及して提訴する動きも出ている。

「利益偏重」が主たる理由ではない

 だが、「民営化で利益偏重になり」と一言で言えるほど、話は単純ではない。中日本高速道路などの道路会社の判断だけで、老朽化した高速道路設備を作り直すことはできない。仮に作り直しを認められたとしても、その膨大な資金をどうするのかが問題になるのだ。

 余談ながら、中日本高速道路は「民営化」して「株式会社」になったが、いわゆる民間の株式会社とはまったく違う。株主は99.95%が国土交通大臣で、残りの0.05%財務大臣。つまり国の100%子会社なのである。あくまでも「官業」であって、民間企業ではまったくない。

 中日本高速道路には道路を全面的に作り直すことを決める権限は事実上ないのだ。例えば電力会社ならば、送電設備は電力会社の所有物で、その更新は許認可は必要だが、電力会社自身の判断によって行われる。そのための資金は設備の「減価償却」によって原則として準備されている。

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「国の会計基準では、老朽化した首都高速を再建できない」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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