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再生可能エネルギーは一般消費者にとって“おトク”になり得るか?

「グリッド・パリティ」を達成できるか否かがカギを握る

2013年1月30日(水)

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 今まさに激動期を迎えているエネルギービジネスを産業発展論と経営戦略論の視点からとらえ直す。そんな狙いを持って、筆者は先月、『社会変革期の成長戦略――グリーンラッシュで生まれる新市場を狙え――』(日経BP社)を上梓した。

 太陽光や風力、地熱などで発電する再生可能エネルギーの推進、そしてシェールガスの実用化などによって、エネルギービジネスはどう変貌するのか。その行方を探るため、19世紀のアメリカで起きたゴールドラッシュ、そして20世紀末から巻き起こったIT(情報技術)革命の成功者たちの戦い方を振り返り、さらには競争戦略論の視点からの分析を試みた。

 エネルギービジネスはエネルギー業界だけのものではない。現在、IT、製造、金融、サービスなどあらゆる業界の企業が、再生可能エネルギー、省エネ、スマートシティ、エコカーなどのグリーンビジネスに参入している。21世紀のゴールドラッシュとも言えるこの状況を筆者は「グリーンラッシュ」と名付けた。このコラムでは、自民党の安倍晋三政権誕生に伴うエネルギー政策の修正などを踏まえつつ、戦略論のフレームワークを駆使して、グリーンラッシュの行方を読み解いていく。

一般のエネルギー消費者の視点に立って考える

 安倍内閣は発足当初からエネルギー戦略の再構築に直面している。前任の民主党政権が掲げたあいまいな「脱原発路線」をどのように修正するかが注目点である。自民党が昨年12月の総選挙前に発表した選挙公約には、次のようなことが書かれている。

  • 当面の優先課題として、3年間、再生可能エネルギーの最大限の導入、省エネの最大限の推進を図る
  • 原発の再稼働の可否は順次判断し、すべての原発について3年以内の結論を目指す
  • 遅くとも10年以内には、将来にわたって持続可能な「電源構成のベストミックス」を目指す

 民主党政権が不十分な議論や具体的な対策がないままに「原発ゼロ」を打ち出したことと比べ、3年以内に結論を出すという自民党の姿勢は評価できる。

 2011年3月の東日本大震災に伴って起きた東京電力・福島第1原子力発電所の事故以来、極めて多くの人たちが、原発、火力発電、再生可能エネルギー(以下、再エネ)のメリット、デメリットをイデオロギー、経済性などの観点から論じてきた。今回は、一般のエネルギー消費者の視点に立って、「代替品」と「グリッド・パリティ」というキーワードを軸に、この問題を考えることとする。

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「戦略論で読み解くグリーンラッシュの焦点」のバックナンバー

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「再生可能エネルギーは一般消費者にとって“おトク”になり得るか?」の著者

尾崎 弘之

尾崎 弘之(おざき・ひろゆき)

東京工科大学教授

野村證券、ゴールドマン・サックス、ベンチャー企業役員などを経て、現在、東京工科大学教授。環境ビジネスの調査を継続。環境省委員、TBS系テレビに毎週金曜日の早朝出演中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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