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「スマートフォンの時代は終わる」

サイバーアイ・エンタテインメント社長兼CEO、久夛良木 健氏に聞く

2013年1月29日(火)

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 連載2回目に登場する賢者はソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の家庭用ゲーム機「プレイステーション」の生みの親で、現在は自ら設立したサイバーアイ・エンタテインメントで次世代技術の開発に取り組む久夛良木健氏。クラウドコンピューティングが加速することで、ネット社会の主役はスマートフォンやタブレット端末ではなくなっていくと予言した。不振を極めている日本の家電メーカーが復活するカギも、そこにある。

プレイステーションの開発において、インターネットはどのように意識されていたのでしょうか。

 SCEが初代のプレイステーションを発売したのが1994年。プロジェクトの段階から数えるともう20年以上が経ちますが、私はプレステの開発を始めた当初から、どこかの時点でプレステをインターネットに“溶かしたい”という思いを持っていました。

 プレステをネットに“溶かす”というのは、ゲームソフトの情報をクライアント(端末)側ではなく、通信回線でつながったネット側で処理するという意味です。今で言う、クラウドコンピューティングに近い考え方ですが、当時はネットに常時接続するサービスがなかったため、構想を実現するにはあまりに早すぎました。

写真:丸毛透

 その後、「プレイステーション2」を発売した2000年に、NTTドコモの携帯電話向けネット接続サービス「iモード」の普及が始まり、無線を使っていつでもネットに接続できる通信環境が整いました。私はプレステ2の次の段階では、なんとかプレステをネットに溶かしたいと考えていましたが、残念ながら、「プレイステーション3」は、今もクライアント側で情報を処理しています。ゲーム機の世界はなんて進化が遅いのかと不満に感じることもあります。

 現在では米アップルのスマートフォン「iPhone」など、新たなネット端末が登場し、様々なクラウドのサービスが普及し始めました。10年前にはできなかったサービスが、これからの10年では十分に実現可能になっています。いよいよ、すべてのゲーム機がネットに溶け始める時期が到来したと確信しています。

今のネットにはリアルタイム性がない

ネットの世界では今後、どのような変化が起こると思いますか。

 今のネットに欠けているのは、時間の概念です。そもそもネットを記述するプログラムには、更新日時を記録する「タイムスタンプ」の機能がありません。ネット上に、ありとあらゆる情報が蓄積されるようになったにもかかわらず、いまだにグーグルで検索した結果を時間軸で並べ替えることができないのは不自然です。今後、時間という概念を取り込むために、ネットを作り変えようとする動きが加速するはずです。

 同様に、今のネットにはリアルタイム性が不足しています。「ツイッター」などのサービスは興味深いものですが、まだまだリアルタイム性は不十分。今後、金融や医療、セキュリティー、ゲームなどの分野では、様々なデータベースを基にリアルタイムに情報を処理するニーズが高まるはずです。

 特に株取引など1000分の1秒単位の遅れも許されない情報処理は、ネット上の彼方にあるクラウドのコンピューター群で対応するのは不可能です。データベースと演算システムが密接に結合した、専用システムが求められるようになると考えています。

コメント29件コメント/レビュー

まったくの素人ですが、おかしな考えかもしれませんがスーパーコンピュターの京がありますが、それ以前に作られたコンピュターは今使っているのでしょうか。廃棄されたりするのですか。もし二次使用することができれば、性能は落ちますが、個人が使うのには十分すぎると思うので、グーグルやヤフーなどのサイト経由で個人が使えるようにすれば、高機能な端末を買わなくてもすむんじゃないですか。クラウドのようにアクセスして使えるといいですね。できれば無料でね。(2013/01/31)

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「「スマートフォンの時代は終わる」」の著者

白石 武志

白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社編集局産業部(機械グループ)、京都支社、産業部(通信グループ、経営グループ)を経て、2011年から日経ビジネス編集部。現在は通信、半導体、家電業界などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

まったくの素人ですが、おかしな考えかもしれませんがスーパーコンピュターの京がありますが、それ以前に作られたコンピュターは今使っているのでしょうか。廃棄されたりするのですか。もし二次使用することができれば、性能は落ちますが、個人が使うのには十分すぎると思うので、グーグルやヤフーなどのサイト経由で個人が使えるようにすれば、高機能な端末を買わなくてもすむんじゃないですか。クラウドのようにアクセスして使えるといいですね。できれば無料でね。(2013/01/31)

考え方が古いとか、既にできているとかの批判コメントが散見されるが、別コラムのヴィント・サーフ氏の記事と読み比べても、久夛良木氏の発言がずれているとは思えない。氏も「打ち込んだり検索したりすることなく会話ができるようになる。何がやりたいのかを推測して動いてくれるようになる。」と、ネットが人工知能化することを予言している。また、シンクライアントは古いとか、既にできているというのも間違い。ネイティブアプリをゴリゴリと一昔前のPCよりも高速なPCで動かしているのがスマホの中身。データもプログラムもクラウドに置き、プロセッシングもクラウドで処理。端末は表示のみ、というのが真のシンクライアント。それにはさらに高速で遅延のないネットワークが必要で、現状では無理ではあるが。ただ、通信と表示のみになっても電力消費は結構あるので、そこの解決は難しいですね。二次電池が超大容量化するか、もしくはどこででも常時無線給電ができるようなインフラ整備がされないと。(2013/01/30)

ネットワークのコストってそんなに下がっているのかな。昔から携帯なら5000円、ADSLなら2000~3000円、光なら4000~6000円であんまり変わらないですよ。まあスマホはMVMOなど使えば安くはなりますけど。(2013/01/30)

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