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円安阻止へ日本包囲網を呼びかける韓国

結果は裏目。外資が逃げ始めた

2013年1月31日(木)

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 韓国紙が連日、「日韓為替戦争」を煽る。「安倍晋三首相の円安誘導は韓国をいじめる近隣窮乏化政策」と非難。さらには円安阻止のための日本包囲網を狙う。だが、薬が効きすぎたようだ。「韓国がそんなに窮乏するのなら」と外資が逃げ始めたのだ。

円安どころか異様な円高ウォン安が続く

 円・ウォングラフを見ると、昨年9月時点では1円=14.5ウォン前後。現在は1円=12ウォン前後だから、方向的には確かに円安・ウォン高だ。

2007年1月から2013年1月までの円・ウォン為替レート

 しかし、リーマンショック以前の2005年から2008年の3年間は1円=7―9ウォン台で動いていた。これと比べれば、円安・ウォン高どころか、異常な円高・ウォン安がまだ続いていることになる。

 では、韓国紙はなぜ「このままでは韓国は滅びる」と言わんばかりに大騒ぎするのだろうか。韓国では「我が国は日本と競合する商品が多いから」と説明されている。

 韓国貿易協会は1月28日「韓国の50の上位輸出品目のうち、26品目が日本の上位50品目と重なっている」と指摘した。競合度の高いのは、造船、プラスティック、自動車、電子部品、機械類という。

1円=7ウォンでも苦情はなかった

 日韓両国の産業構造が似ているのは事実だが、それは昔からのこと。1円=7―8ウォン台と円安・ウォン高に振れていた時も、韓国の輸出企業から為替レートに苦情が出ていたわけではない。サムスン電子や現代自動車のような国際競争力の高い企業はもちろん、普通の会社もそれなりの利益は出していた。

 現代経済研究院が1月16日に発表した報告書「懸案と課題 ウォン高で輸出景気の急落を憂慮」も、円安の影響度を業種別に分析している。当然、「値段勝負」の鉄鋼や化学製品への影響が大きく、携帯電話や半導体などのITや、自動車は影響が小さい。

 韓国の自動車の品質は急速に向上し、イメージも上がった。一昔前のように「安くないと売れない」わけではない。また、携帯電話では、日本ブランドは世界市場からほぼ姿を消した。そもそも競合していないのだ。

ウォンが1%切り上がった時の韓国の産業別の輸出額減少幅(単位:%)
家電は人民元に対しウォンが1%切り上がると0.71%輸出が増える
対円で 対人民元で
鉄鋼 1.31 0.50
石油化学 1.13 0.74
機械 0.94 1.10
IT 0.87 0.06
自動車 0.68 0.38
家電 0.46 ▼0.71
出所:現代経済研究院「ウォン高で輸出景気の急落を憂慮」(2013年1月16日発行)から

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「円安阻止へ日本包囲網を呼びかける韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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