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「イノベーションは家庭のキッチンで起きる」

米シスコシステムズ・チーフフューチャリスト、デイブ・エバンス氏に聞く

2013年1月31日(木)

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 連載の4回目に登場する賢者は、ネットワーク機器最大手、米シスコシステムズで未来技術を研究するチーフフューチャリスト、デイブ・エバンス氏だ。彼はインターネットやコンピューター技術に関する未来予測で世界的に高い注目を集めている。今後、人間だけでなくあらゆる「モノ」がネットにつながる「Internet of Things(モノのインターネット)」や、コンピューターに保存した設計図から立体物を作る「3Dプリンター」が、社会を大きく変える原動力になると予言した。

1990年代以降、インターネットが急速に社会に浸透しました。今後のネットの発展をどのように予測しますか。

 ネットがさらなる進化を続けることは確実です。第1に、ネットにつながる人の数が劇的に増えます。ネット利用者数が20億人に到達するまで20年かかりましたが、次の10億人が加わるのには、わずか5年しかかからないでしょう。そのスピードは驚くべきものです。

 第2に、ネットにつながる「モノ」の数も指数関数的に増えるでしょう。現在、およそ100億個のモノがネットに接続していますが、その数は今後5~10年で400億、500億と膨れあがります。ルーターやコンピューター、スイッチといった、これまでネットに接続していたモノだけでなく、車や住宅、あるいは家畜などもつながるようになり、あらゆる業界に影響を及ぼすようになります。

ネットを介してモノ同士がつながる

 単純にモノの数が増えるだけでなく、ネットを介してモノ同士が「1対多」の関係で結びつくことで、大きな価値が生まれると考えています。例えば、単に1台の車がネットにつながるだけなら「1対1」の接続に過ぎませんが、この車がほかの車や、道路や家に設置したセンサー、スマートフォンなどにつながることで、利用者の体験はより豊かなものになります。これが、“Internet of Things”における原動力となるのです。

そのような変化の兆しは、すでに現実の産業で見られるのでしょうか。

 いろいろな産業で起きていると思います。例えば、既に我々はスマホを通じて様々なモノやサービスにつながっています。また、私の自宅には全部で46個のネットに接続する端末があります。サーモスタット(温度制御装置)は2つありますが、これらがネットにつながることで、天候や外気温に応じて家の中のヒーターを調節し、省エネに役立てることができます。

 テレビ会議システムやデジタルサイネージ(電子看板)、自宅で使用する医療機器などもそうした例に当てはまるでしょう。薬にセンサーを取り付け、患者がきちんと薬を服用したかどうか担当医が遠隔地から把握するようなシステムも、既に存在しています。モノのインターネットはエネルギー、輸送、ヘルスケア、小売り、製造などあらゆる業界に関係することなのです。

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「「イノベーションは家庭のキッチンで起きる」」の著者

田中 深一郎

田中 深一郎(たなか・しんいちろう)

日経ビジネス記者

日経新聞科学技術部、証券部を経て、2012年4月より日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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