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太陽光発電、買い取り価格より接続の保証を

「事実上の接続拒否」を防ぐには発送電分離が急務

2013年2月6日(水)

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 経済産業省は1月21日、調達価格等算定委員会を開催し、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度における平成25(2013)年度の買い取り価格について検討を開始した。

 委員会からの提言はまだだが、太陽光発電の2013年度の買い取り価格は初年度より少し下がりそうだ。一時「据え置きの方向」という見通しもあったが、その後「30円台後半」、そして37円になるとの観測も(1月24日時点)。一方、風力、中小水力、地熱、バイオマス発電については、コストの算定を見直すための実績がないため、価格を据え置くという方向性が確認されたと言う。

 太陽光発電については、確かな勢いが感じられた1年であった。市場はバブルを思わせるほど過熱気味であり、2年目が不安という声もあるが心配はない。これからが本番である。

「適正な」買い取り価格

 筆者は、再エネ、特に太陽光発電の積極的推進論者であり、2030年までに太陽光だけで総電力需要の少なくとも15%、できれば20%を賄うよう提言し、自らも実際の案件にかかわっている。

 2012年までの累計導入量は、前年から200万kW弱増えて約700万kWに達している。ここに、年間500万kWずつ、2030年までの残り18年間に新規導入し続けると、その時点での累計導入量は1億kW弱になる。年間の日照時間(100%換算)を1000時間とすると1000億kWhの発電量になる。

 非常に大きな数字と思うかもしれないが、これは2010年の電力総需要約1兆kWhの10%にしかならない。だから、実際には、もっと積極的に推進する必要があるのだ。筆者の提言を実現するためには、年間の新規導入量もとりあえず500万kW、最終的には1000万kWまで上げる必要がある。

 このような積極策を展開するためには、買い取り価格については高い方がありがたいことは言うまでもない。しかし、何事も行き過ぎると逆効果となる。一般電力ユーザーへの賦課金が増えてしまうからだ。筆者は総合的に見て42円は高すぎると考え、2012年5月に行われたパブリックコメントでは「35円が適正」とコメントした。

 経産省は、2013年度の太陽光発電の買い取り価格引き下げについて、「システム価格が下落しているため」と言うが、実務者の立場で言えば、昨年の42円を決定した時点で価格の下落はすでに始まっていたのである。算定委員会は、自ら調査することなく、業者の言い分通りに価格を決定したという印象は否めない。

 「適正」の定義は難しいが、そのポイントは業者の意欲増進と、一般電力ユーザーへの賦課金の負担のバランスである。筆者の家庭では、2012年10月の電気代は1万1383円であり、そのうち112円が「再エネ発電付加金等」であった。年が明けてからは、暖房の使用が増えたため電気代は上がり、それに比例して賦課金も増えている。ドイツでは一般家庭における賦課金が2011年に1000円を超えている。日本でも将来は数千円になるとの試算があるが、当面、300円を超えたら不満の声が大きくなるだろう。

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「太陽光発電、買い取り価格より接続の保証を」の著者

村沢 義久

村沢 義久(むらさわ・よしひさ)

合同会社Xパワー代表、環境経営コンサルタント。

1974年東京大学大学院工学系研究科修了。1979年米スタンフォード大学経営大学院修了。2005年から東京大学サステイナビリティ学連携研究機構特任教授として地球温暖化対策を担当。合同会社Xパワーを立ち上げ代表に就任。2016年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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