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中国の「レーダー照射」「領空侵犯」は何を意味しているのか

2013年2月7日(木)

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 2月5日、小野寺五典防衛大臣は緊急記者会見を行い、「東シナ海で1月30日、中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用のレーダーを照射していた」ことを明らかにした。小野寺防衛大臣は「大変異常なことであり、一歩間違えると、危険な状況に陥ることになると認識している」と述べ、外務省が中国側に抗議したことを明らかにした。

 射撃の際に使う火器管制レーダーの照射は、言うまでもなくかなりの挑発行為だ。

 東シナ海における挑発的な行動に含まれている、中国政府の意図を分析してみよう。

 2012年12月13日午前11時前後、中国の航空機が尖閣諸島の上空で領空侵犯をした。この日付と時刻を覚えておいていただきたい。

 昨年9月11日の野田内閣による尖閣諸島国有化の閣議決定以来、尖閣諸島周辺で中国の漁業監視船や海洋監視船が航行を続け、領海外側にある接続水域を出入りする状態がほぼ常態化していた。しかし領空を侵犯したのはこれが初めてだ。

 それ以後、国家海洋局の航空機が何度か領空侵犯し、2013年1月に入ると、中国の軍用機が東シナ海上空で日本領空への接近飛行を繰り返していることが分かった。

 12月13日から、領空侵犯がなぜ活発化しているのか。さっさと結論を言おう。
 これは「南京事件」の日である。中国の言い方に従えば「南京大虐殺」。

いつも以上に過熱した記念式典

 日中戦争(中国側で言うところの侵略戦争)が始まった年である1937年の12月13日に、日本軍が南京市民を含めた中国人を大量に虐殺したとされている。南京市では、毎年この日の午前10時になるとサイレンを鳴らし黙祷を捧げる。犠牲となった人数や状況に関して日中双方に異なる言い分があるが、ここではそのこと自体は論議の対象ではないので省く。

 昨年の12月13日は、ことのほか大規模な「南京大虐殺記念日」の行事が行われた。

 中国の国営テレビCCTV(中央電視台)の画面は、涙を流しながら黙祷をする膨大な南京市民の顔を映し、蝋燭をともす人々の姿を映し出した。そして生き証人が年々少なくなっていくので、口述による資料を集め、「南京大虐殺史研究」をより充実させていこうとしている人々の声を伝えた。また日本軍による殺戮画面の映像が、何度も何度も繰り返し放映された。

 この日のCCTVは、南京軍区における空軍の超低空飛行訓練の様子も同時に伝えた。一週間で107回の超低空飛行を実施したという。

 中国には「北京軍区、瀋陽軍区、済南軍区、南京軍区、広州軍区、成都軍区、蘭州軍区」の七大軍区がある。「南京軍区」はその中の一つで、「安徽省、江蘇省、浙江省、江西省、福建省、上海市」を管轄する。

 その総本部は南京市にあるのだが、南京軍区の超低空飛行訓練が昨年12月初旬に入ると繰り返し伝えられていたので、「何かあるな」とは思っていた。

コメント33件コメント/レビュー

冷静に観察すれば、射撃管制用レーダーの事案が、中央からの命令ではないことは明白。中国は当初「報道で初めて知った」と公式に発表している。その後、徐々に日本に不利な言説を展開するようになるが、その振れ幅に中央の動揺ぶりが見てとれる。これはあくまでも想像だが、誰の命令でもなく、現場の無責任な軍人がイタズラ半分にレーダーを照射した、程度のくだらない顛末なのではないだろうか(それはそれで恐ろしいことだが)。しかし、事実を中国が発表するはずもなく、この醜態を「日本側の捏造」に偽装しているだけ。「中華」のプライドと、未熟な軍律を晒したくない一心だ。日本が過剰に追及すると、中国は一層頑迷になり…何をするかわかったものではない。表側の反応は控えて、裏側で解決を図ればいいこと。脊髄反射的に国際問題などにすると、取り返しのつかない事態になり兼ねない。大国が「剛」でくるのなら、小国は「柔」で受け流す余裕を見せるべき。間違っても自国(日本)が「大国」だと勘違いして「剛」で攻めてはいけない。(2013/02/09)

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「中国の「レーダー照射」「領空侵犯」は何を意味しているのか」の著者

遠藤 誉

遠藤 誉(えんどう・ほまれ)

筑波大学名誉教授

1941年、中国長春市生まれ、1953年帰国。理学博士。中国で国務院西部開発弁工室人材開発法規組人材開発顧問、日本では内閣府総合科学技術会議専門委員などを歴任。2児の母、孫2人。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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冷静に観察すれば、射撃管制用レーダーの事案が、中央からの命令ではないことは明白。中国は当初「報道で初めて知った」と公式に発表している。その後、徐々に日本に不利な言説を展開するようになるが、その振れ幅に中央の動揺ぶりが見てとれる。これはあくまでも想像だが、誰の命令でもなく、現場の無責任な軍人がイタズラ半分にレーダーを照射した、程度のくだらない顛末なのではないだろうか(それはそれで恐ろしいことだが)。しかし、事実を中国が発表するはずもなく、この醜態を「日本側の捏造」に偽装しているだけ。「中華」のプライドと、未熟な軍律を晒したくない一心だ。日本が過剰に追及すると、中国は一層頑迷になり…何をするかわかったものではない。表側の反応は控えて、裏側で解決を図ればいいこと。脊髄反射的に国際問題などにすると、取り返しのつかない事態になり兼ねない。大国が「剛」でくるのなら、小国は「柔」で受け流す余裕を見せるべき。間違っても自国(日本)が「大国」だと勘違いして「剛」で攻めてはいけない。(2013/02/09)

国の人口が増えると人の命の単価が下がるので、今、中国は戦争がやりたくて仕方がないのでしょうね。「一人っ子の死」は、アメリカなら大問題になりそうですが、人権も命の尊厳もクソクラエの日本の隣国には関係無いことでしょう。過去の過ちは「水に流して終わり」「昨日の敵は今日の友」という文化が、憎しみは何世代に渡って引き継ぎ、敵は皆殺しにしなければ安心できない文化の隣に居合わせたのは、不幸としか言いようがありません。(2013/02/09)

今日の事態を招いた前原、石原氏などの責任は重いと考える云々と書かれたお方がいらっしゃいますが、10年も前に国内法で自国領としていましたからいずれ西・南沙諸島のように強奪する心算であったことは自明でしょう。単にそれらの発言を自分達の対応にこじつけているだけです。逆に今こうならなかったら、近い将来の隊員も予算も減って弱くなった自衛隊と、集団自衛権を行使できない等の法体系不備とであっという間に奪われることでしょう。そちらをお望みなのでなければ、もし本当に石原氏の発言で今こうなったとすれば、それは感謝するべきことでしょう。(2013/02/08)

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三品 和広 神戸大学教授