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日本は「シェールガス革命」の恩恵を受けることができない?

スイッチングコストが高い代替品の限界

2013年2月13日(水)

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 2月6日、東京電力(東電)は、三菱商事や三井物産を通じて米国産の液化天然ガス(LNG)を輸入する計画を発表した。このほかにも割安なLNG調達ルートを確保し、2010年代後半をメドに年200万トンを輸入する計画だと報じられている。東電は新ルートにより現在より約3割安くLNGを調達することができ、年500億円程度の燃料費圧縮が可能になる。

 東電の福島第1原子力発電所の事故以降、順次国内の原発は運転を停止し、現在の日本は電力の大半を火力に頼っている。2012年のLNG輸入量は前年比11%増の8730万トンに上り、貿易赤字の主要な原因となった。

 原発再開のメドが立たない日本にとって、LNGの輸入コストを下げるのは喫緊の課題だが、これまで日本は、価格はともかく安定的に調達できる長期契約をガスの産出国と結んできた。従って、天然ガス市場が世界的に軟化しているのに、日本はそのメリットを享受できず、米国市場と比較して最大5倍も割高なLNGを購入している。

 ところが、日本にとって「朗報」がある。それは「シェールガス革命」による天然ガスの大幅な供給増である。シェールガス革命は日本にどのような影響を与えるのだろうか。ガス市場の需給構造が変われば、世界最大のLNG輸入国の日本にとって大きなメリットがあるはずだが、果たして楽観できるだろうか?

日本のエネルギーは天然ガス火力発電に依存してきた

 2度のオイルショックを経た後、図1が示す通り、日本のエネルギー政策は原子力と火力による発電が中心であった。資源エネルギー庁の『エネルギー白書2011』によると、2010年の発電量の大半をまかなっていたのは、火力発電(59.3%)と原子力発電(30.8%)であった。

 このうち火力発電の燃料については、歴史的に石油への依存を減らし続けてきた。1973年の第1次オイルショック直前、火力発電の88%を石油燃料に頼っていたが、2010年の石油火力の比率は14%まで下がった。

 この穴を埋めたのが、石炭と天然ガスである。2010年の火力発電のうち、石炭は40%、天然ガスは45.8%である。石油は常に枯渇の心配がされるが、石油メジャーの英BPによると、石炭は現在の採掘ペースでもまだ118年分の埋蔵量があるという。

 天然ガスの可採埋蔵量は58年と石炭より短いが、燃料として使った時の二酸化炭素(CO2)排出量が少ない。国際エネルギー機関(IEA)によると、天然ガスのCO2排出量は石炭の6割、石油の7割5分に過ぎない。CO2排出量が少なく、石油より枯渇の心配が少ない天然ガスの利用が、世界的にも主流となりつつある。

コメント9件コメント/レビュー

『ガスパイプ網の不整備はこの不作為のためであり』パイプラインは地震に弱い。この事実が最大の理由なのでは?(2013/02/22)

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「日本は「シェールガス革命」の恩恵を受けることができない?」の著者

尾崎 弘之

尾崎 弘之(おざき・ひろゆき)

東京工科大学教授

野村證券、ゴールドマン・サックス、ベンチャー企業役員などを経て、現在、東京工科大学教授。環境ビジネスの調査を継続。環境省委員、TBS系テレビに毎週金曜日の早朝出演中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

『ガスパイプ網の不整備はこの不作為のためであり』パイプラインは地震に弱い。この事実が最大の理由なのでは?(2013/02/22)

スイッチングコストがかかるのをわかっていて意図的に放置してきたんじゃないですか。原子力のために。(2013/02/15)

表題に対しては、受けたというべきではないか?原発停止で急に燃料が必要となった時に、シェールガス生産国が国内消費分するにしろ、急に増えた需要と、供給力がマッチして暴騰も暴落もせずに済んだという事。これは幸いである。日本にとって致命的に上がる事もなく、社会を不安定化させる暴落もなく、ロシアがガスの売り惜しみする所だったが、物腰が柔らかくなった。当面はこれで十分である。シェールガスだろうが、メタンハイドレートだろうが高々数十年分は安泰であるというだけであり、どの道将来は再生可能エネルギーに頼らなければならず時間的猶予が稼げただけなので、今大喜びでガス施設を大増産しても馬鹿を見る。もっと大局的に中長期的に物事を見て決めていかねばならない。(2013/02/15)

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