• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

内輪で社長交代を強行した、日本郵政の「天下りガバナンス」

増え続ける国有株式会社、誰が経営を監視するのか

2013年2月22日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「政権の移行期に100%国が株主の(会社の)社長人事を、天下りと批判された人が自分の同じ省庁(出身)の人に決定した。ちょうど移行期で相談がなかったものですから、それはいくら何でも看過できないと申し上げました。今でも思いは同じです。具体的には、総務大臣が適切に対応してくれるものと思っております」

 2月19日の参議院予算委員会。民主党の小野次郎議員の質問に、菅義偉官房長官はこう答弁した。ここで言う「100%国が株主」の会社とは言うまでもなく日本郵政株式会社のことだ。

 日本郵政は昨年12月19日、臨時取締役会を急遽開いて、齋藤次郎社長の退任と坂篤郎副社長の社長昇格を決めた。12月16日には総選挙の投票が行われ、17日の朝に確定した結果では民主党が大敗、政権の座から滑り落ちた。それからわずか50時間あまりでの突然の社長交代だった。

 「3年間、この会社の経営を預かって以来、一応やるべきことは全てやったと個人的に思っており、いい潮時と申しますか、この際、長い間、私と一緒にこの経営の基盤を担ってきてくれた坂副社長に後事を託するのが、最も適当であると判断したわけでございます」

斉藤氏が日本郵政社長の座を投げ出した理由

 12月19日の記者会見で齋藤氏はこう語った。だが、説明どおりなら、2013年6月の任期満了時に退任すれば済む話だ。しかも、会見の席では社長は辞めるが取締役としては残るという説明だったにもかかわらず、その後、取締役も辞任していたことが年明けに判明している。要は逃げるようにして辞めたのだ。

 齋藤氏がアタフタと社長の座を投げ出した理由は明らかだった。

 齋藤氏は1993年に日本新党を中心とする連立政権ができて自民党が下野した際の大蔵事務次官(現財務事務次官)だった。「大物次官」の名をほしいままにし、政界との太いパイプを築いた。小沢一郎氏と近いことでつとに知られた。

 ところが、自民党が政権に復帰すると、それがアダとなる。自民党から疎まれ、目ぼしい天下りポストにありつけずに過ごしたのだ。それから約10年。民主党が政権を握った途端、突如として日本郵政の社長に就任したのだ。「脱官僚依存」「天下り根絶」を掲げていた民主党政権にあって、異様な人事だったが、就任記者会見で齋藤氏ははばかることなく満面の笑みを浮かべた。

 それから3年。再び政権が交代。齋藤氏は過去の屈辱を再び味わう前に“敵前逃亡”を果たしたのだ。現役の財務省幹部の間からも「ぶざまな逃亡劇で晩節を汚した」という声が漏れる。

 だが、問題は齋藤氏が社長を辞めたことではない。後任に同じ財務省OBの坂氏を「勝手に」決めたことだ。

コメント2

「磯山友幸の「政策ウラ読み」」のバックナンバー

一覧

「内輪で社長交代を強行した、日本郵政の「天下りガバナンス」」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官