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そもそも「強欲」から始まった「グローバル化」と「通貨安戦争」

グローバリゼーションを考えるための必読本

2013年3月1日(金)

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 こんにちは。月に1度の読書コラム、早くも3月になりました。

 今回のテーマは、「グローバル化」を考えるための本、です。今回も、比較的骨太の本を多く取りそろえました。

 といいますのも僕は、本を読むのは知識を得るためではなく、自分の頭で考えるための材料を得るためにあると思っているからです。

 たとえば、1月にフランス軍はなぜマリに侵攻したのでしょうか?

 何の話か、すぐピンと来なかった方もおられるかもしれません。10人の日本人の方をはじめとして多くの方が犠牲になった、アルジェリアの天然ガス施設における人質事件の発端になった出来事です。

 マリでは1月11日、政府軍の要請を受けたフランスが軍事介入し、戦争状態に突入しました。それに反発したゲリラがアルジェリアのイナメナスで日本人を殺したわけです。フランスに圧力をかけるためです。つまりは、フランス軍がマリに入らなければ、あるいは日本人が犠牲にならずに済んだのかもしれない。なのに、フランス軍がマリになぜ入ったのかということを、新聞は何も書いていません。

 僕の答えは、フランスの電力を守るためだった、というものです。

新聞やメディアが報じない事件の背景を考えるには

 フランスではほとんどの電力を原子力に頼っていますが、実はその3分の1以上をニジェールのウランに依存しています。ニジェールの隣国がマリで、その隣がアルジェリアです。もしニジェールにゲリラ部隊が攻め込んだら、フランスの電力が3割以上消えてしまうことになりかねない。EU(欧州連合)が崩壊しかねない事態でもあります。

 自分たちの貴重な電力という社会基盤をニジェールに依存している以上、その周囲の紛争は何があっても消さなければいけない。だからフランスはためらわずにマリに入って、EUもそれをすぐに支持したのではないか。

 …と、素人の僕でさえすぐにそう考えました。色々な本を読んできて、グローバリゼーションを縦横に考えてみたら、やはりそういう姿が自然に見えてきたのです。

 日本のメディアは、フランス軍がマリに入って、世界遺産のトンブクトゥを解放して、ゲリラが散ったなど、現象面だけを報じています。なぜマリに軍事介入したのかを教えてくれないのでしょう。メディアに頼っていては、何も分かりません。今日ご紹介する本を読んで、ぜひそういったことを自分で考える思考を組み立てて下さい。

 では本題に入りましょう。まずは、私からの質問です。「ペリーはなぜ、鎖国中の日本にわざわざやってきたのでしょうか?」

 貿易がしたいから? いやいや、もう少し突っ込んで考えてみましょう。それは、これからご紹介する本で読み解けます。

 最初の本は、1852年に日本に黒船に乗って来航したペリー提督の報告書『日本遠征記』(全4巻)です。岩波文庫から出ています。

 この本が最初に発行されたのが1945年(昭和20年)、まさに終戦の年でした。訳者の方が1巻冒頭の解説で、「マッカーサー将軍は民主主義日本の黎明(れいめい)を告げる人とならうとしてゐる」(原文ママ、かっこ書きは編集部)などと書いています。この本の原書は、ペリー提督の報告書を、フランシス・L・ホークスという方がペリー提督の監修のもとに編纂したものでした。

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「そもそも「強欲」から始まった「グローバル化」と「通貨安戦争」」の著者

出口 治明

出口 治明(でぐち・はるあき)

ライフネット生命保険会長兼CEO

1948年生まれ。京都大学を卒業後、日本生命保険に入社。同社を退職後、2006年にネットライフ企画設立、代表取締役就任。2008年にライフネット生命保険に社名変更。2013年6月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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