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B787のトラブルで考えるEVの「安全性」と「付加価値」

ポジショニングの変化でバリューチェーンの力学は変わるのか?

2013年2月27日(水)

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運航再開ができないボーイング787型機

 米航空機大手ボーイングが社運をかけて開発したボーイング787型旅客機(B787型機)は、2011年11月の就航後、機材トラブルなどが続いてきた。今年に入って、ブレーキの不具合、電池からの出火、燃料漏れ、潤滑油漏れなどのトラブルが相次ぎ、全機運航が停止されている。

 特に、米ボストンのローガン国際空港における日本航空(JAL)機の電池発火事故、宇部空港を離陸した後、電池からの発煙と異臭のため緊急着陸した全日本空輸(ANA)機の事故が重点調査対象になっている。

 2月13日、運航停止につながった電池トラブルの原因が判明しないため、ボーイングは暫定的な対応策を取ると報じられた。電池パックが過熱した場合に熱や炎、有害化学物質が外に逃げ出さないよう、チタン素材を使ってリチウムイオン電池容器の強度を高めることが検討されている。また、同15日、ライバルである欧州航空機大手エアバスは、開発中の最新鋭中型機A350にリチウムイオン電池を搭載しないことを決めた。

 まるで悪者になっているリチウムイオン電池は、ノートパソコン、携帯電話、電気自動車(EV)などに広く使われている。高容量であるため、ハイテク機器に欠かせない電池であるが、活性が高い物質を材料に使用しているため、従来から、パソコン、EVなどにおいて発火事故が報告されていた。航空機にリチウムイオン電池を使うことの危険性は、B787型機の就航前から指摘されていたのである。

革新的技術であるB787型機とそのバリューチェーン

 B787型機が画期的であることには変わりない。機体に炭素繊維強化プラスチックを使って軽量化し、エンジン始動、エアコンなどを電動化したため、燃費が大幅に向上した。ガソリン自動車がハイブリッド車やEVに電動化されて、ガソリン消費を削減したことに似ている。

 燃費向上の結果、日本からは大型機でないと飛べなかった米国東海岸や欧州に、B787は中型機ながらノンストップの路線を開通できる。B787型機のおかげで従来なら不採算の路線でも飛ばせるし、欧州の厳しいCO2(二酸化炭素)削減規制に対応することができる。

 B787型機には、三菱重工業、富士重工業など多くの日本企業が部品を提供している。日本企業の部品比率は35%に達し(米国以外でトップ)、問題のリチウムイオン電池はGSユアサ製である。B787型機のような革新的な製品の開発は完成品メーカー(ボーイング)と部品メーカー(約70社が開発に参加)の共同作業になるが、近年、両者の関係に大きな変化が見られる。変化を理解するキーワードは、バリューチェーン(価値連鎖)の構造である。

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「B787のトラブルで考えるEVの「安全性」と「付加価値」」の著者

尾崎 弘之

尾崎 弘之(おざき・ひろゆき)

東京工科大学教授

野村證券、ゴールドマン・サックス、ベンチャー企業役員などを経て、現在、東京工科大学教授。環境ビジネスの調査を継続。環境省委員、TBS系テレビに毎週金曜日の早朝出演中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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