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パクり合うファッション業界

外部任せの商品企画が同質化を生む

2013年2月26日(火)

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 2月15日、韓国の大手紙、中央日報の日本語版サイトにこんな記事が掲載されて、ちょっと驚いた。

「ユニクロ、韓国メーカーのデザイン盗用疑惑…販売中断へ」

 ユニクロが韓国でデザイン盗用疑惑をかけられ、該当商品を電撃販売中断した。最近、韓国のファッション雑貨ブランド「COEVEL」は、自社がデザインしたナバホパターン をユニクロが無断使用したと主張した。

 これにユニクロ韓国法人であるFRLコリアは14日、ホームページに「オンライン上に広まっているソックスのデザインのコピーデザインで物議を醸した点につきまして、お客様に心よりお詫び申し上げます」とし「メイン模様のデザインに関し、相当な類似性が認められたため、すぐに該当商品の販売を中止しました」と明かした。

 これは韓国での出来事だが、韓国ブランドから日本企業が柄デザインのことで訴えられるのは珍しい。近年は中国・韓国の企業が日本企業のデザインや商標を盗用することが多く報じられるが、逆のパターンは少ない。

 ネイティブアメリカンのナバホ族の柄を靴下に用いているのだが、ナバホ族柄だけなら盗用疑惑にはならなかっただろう。ナバホ族の柄自体はポピュラーでいろんなブランドが過去にもすでに使用しているからだ。この記事に掲載されている写真を見比べればわかるが、ほとんど同じ大きさ、同じ色で靴下の同じ場所に柄が付けられている。この点に盗用疑惑がある。柄の大きさ、色使い、場所、使用個数を変えれば同じナバホ族柄でも盗用疑惑はかからなかったに違いない。極端な話、もう少し小ぶりなナバホ族柄を3つくらいちりばめたデザインなら、なんら問題はなかっただろう。

 ファッション関連業界で見ると、日本企業同士であっても色柄の類似は明らかにある。それもかなり多いと言わざるを得ない。ファッション・雑貨業界で日本企業同士が色柄のデザインをパクり合うのはさほど珍しい現象ではない。

小ブランドの秋冬物のデザインが大手の春夏物に登場

 「RBT」という大阪を拠点に活動するデザイナーズブランドがある。売上高としては小さく、さほど有名なブランドではないながらも、香港や北京、台湾のファッション専門店へも卸売りしている。その特徴は毎シーズン変更される色柄にある。黒地に複雑なパターンで色彩溢れる柄を提案する。世間的なトレンドとは一見無関係だが、今春夏はこの鮮やかな色彩感覚と複雑に入り組んだ柄がトレンドに合致している。

デザイナーズブランドのRBTが2012年秋冬物で発表した柄

 この「RBT」の昨年秋冬物と109系大手アパレルが展開する某ブランドの今春夏物の柄がそっくりなのである。「RBT」の2012年秋冬物は黒地に黄色やオレンジなど鮮やかな色彩で様々な花柄が描かれている。この点がまさに2013年春夏のトレンドだと判断されたのだろう。

 しかし、大手アパレルにとって残念なことに「RBT」はバラや桜、チューリップ、コスモスといったポピュラーな花を柄に採用しているのではない。何だかわからない花とピカソの名画「ゲルニカ」を組み合わせるという極めて個性的な柄である。さらに写真を見ていただければわかるが、蔓に豆電球のような物が複数ぶら下がっている。その豆電球には顔らしきものも描かれている。これはスズランをモチーフとした柄で、しかも顔みたいな物は髑髏(どくろ)を図案化した物である。こんな複雑で意匠性溢れる柄が偶然に半年後、大手ブランドから発売されるとは不思議である。主観を交えることが許されるなら偶然に同じ物を考え付くことはほぼ不可能だろうと考える。

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「パクり合うファッション業界」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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