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朴政権の経済政策~過度の中国依存をリバランスする可能性

日韓関係を強める政治力学も働く

  • 向山 英彦

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2013年2月27日(水)

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 2月25日、韓国で朴槿恵大統領が誕生した。新政権の経済政策は、グローバル化を維持しつつも、国民の生活向上をより重視したものになるだろう。対外経済関係では、中国との関係を引き続き重視しつつも、新たな動きを始めると予想される。

雇用を重視した経済政策

 韓国では2000年代に入って、財閥グループがグローバルな事業展開を加速させた。政府もそれを後押しするように、FTA(自由貿易協定)を積極的に締結してきた。

 しかし、財閥グループが世界で躍進する一方、国民の生活はそれに見合うほど改善しなかった。特に非正規職の増加や若年層の就職難、格差の拡大などが問題になった。また李明博政権が実施した規制緩和により財閥への経済力集中が進んだため、「大企業寄り」の政策を進めてきた政府への批判が高まった。

 朴槿恵大統領は「国民幸福社会」の実現を掲げ、財閥のグローバル化に依拠したこれまでの成長を改め、国民の生活向上につながる経済発展を目指している。財閥グループには、政府が推進する政策(雇用の拡大・質の改善、中小企業との共生など)への協力、「国民とともに歩む」経営の確立を求めることになろう。

 政策では雇用関連政策に大きな比重を置く。李明博大統領が成長を最優先目標に置き、成長を加速して雇用を作り出す考えであったのに対して、朴槿恵大統領は雇用率の引き上げ(現在の60%からOECD諸国平均の70%に)を最優先する。雇用を増やすために、ICT(情報通信技術)を活用した新産業の育成や中小企業の振興などを進める。

 新産業の育成を担う新たな機構として未来創造科学部を新設するとともに、中小企業庁の機能強化も計画している。「成長を通して雇用」ではなく、「雇用を伴う成長」を目指す方針と言える。

自由貿易の成果を国民に還元

 雇用とならんで重視するのが、国民の不安解消だ。所得が伸び悩む一方、債務返済や教育費などが家計を圧迫している。債務対策としては、金融機関が保有している延滞債権を「国民幸福基金」が買い入れて、申請者が長期返済できるようにする構想がある。

 将来への不安はより大きい。2017年に、生産年齢人口(15~64歳)が減少に転じるとともに、「高齢社会」への移行が予想されている。高齢者の貧困が深刻になっているため、福祉・年金・医療制度の拡充は喫緊の課題である。朴政権は、その取り組みを強化していく計画だ。

 新政権下の経済政策は国内の課題解決を目指した「内向き」が強まる可能性が高い。このため、対外経済政策面ではグローバル化を維持しつつも、国民生活の向上につながる仕組み作りが進められるだろう。

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