• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

待合室には誰もいないのに大人気のクリニック

北海道苫小牧市の医療法人社団北星会・その2

2013年2月28日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 大きな病院と違いスケールメリットの追求による効率化が難しい一般診療所。そんな中で、無床一般診療所を多店舗展開しているのが、北海道苫小牧市に本拠を置く医療法人社団北星会である。前回は診療所スタッフの接遇などについて書いた。今回はITを活用した待ち時間の短縮などに触れていく。

 医療機関で患者が抱える最大の不満は長い待ち時間である。特に北星会の本拠がある苫小牧市は東西に長い地理的特徴を持っており、ほとんどの患者は自動車で通院する。また水曜日は周辺の病院の多くが休診になるのでどうしても患者数が増える。そこで苫小牧にある北星会の2つの診療所ではオンライン受付のシステムを自ら開発し、体調を崩した患者は自宅や外出先から診療所のホームページにアクセスして受付ができるようにしている。

北星会はITに積極的に投資
北星会はITに積極的に投資して、利用者の満足度を高めようとしている

 オンライン受付の申し込みフォームには、「喉が痛い」「咳がする」「鼻水が出る」といった症状を書き込める簡単な問診票がついていて、申し込み時に病状を送信できるようにしている。診療所では、スタッフが常にオンライン受付状況を確認しながら、オンライン受付を行った患者の予約番号をメールで送信する。

ホームページで診察中の患者の受付番号が分かる

 診察は受付番号順に原則行われる。北星会のホームページにはリアルタイムで診察中の患者の受付番号が掲示されており、患者はそれを見ながら余裕を持って来院することができる。これにより、患者が診療所に到着してから診察まで時間は短くなる。「待合室には誰もいないが、30人待ちということもある」と理事長を務める島野雄実医師は話す。

 簡単な問診もオンライン受付時に行ってしまうので、到着後の受付は短時間で済み、病気で苦しむ患者の負担軽減にもなっている。この問診票のデータは受付のスタッフによって電子カルテに貼り込まれ、医師も患者の状況を素早く理解できるようにしている。

 患者が内科を訪れたものの、医師の判断で皮膚科に行くことになった場合は、内科があるとまこまい北星クリニックから至近のとまこまい北星皮膚科クリニックに予約を入れて患者に移動してもらう。もう一方の診療所から来た患者は最優先で診察できるよう受付番号を優先するルールを設けている。これは既に受付で待った患者が再度待つことがないようにするための配慮である。このように北星会では、電子カルテとオンライン受付で診療所間の情報交換を密接にできるようにし、それぞれのクリニックの連携を深めて、患者のメリットにつながるようにしている。

 大きな病院は電子カルテをオーダリングシステムとして使う。一方、北星会は小規模な診療所であるため、電子カルテの役割は記録媒体である。そのため医師の入力作業は多い。1つの画面で画像だけでなく、様々な情報とカルテを紐付けている。また北星会は家庭医としての役割を目指していることから、家族全員分のデータも電子カルテから引っ張れるようにしている。

コメント0

「おもてなしの経営学」のバックナンバー

一覧

「待合室には誰もいないのに大人気のクリニック」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック