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世界一の「豪雪国」、日本の現実

防災科学技術研究所雪氷防災研究センター(1)

2013年3月4日(月)

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世界一の豪雪の国、日本。「平成18年豪雪」をはじめ、21世紀に入ってから、その前の10年ほどと比べてまた雪が多くなっているという。平成23年も平成24年もしかり。豪雪が防災上も見逃せない問題として浮上してきたいま、雪氷防災のプロである佐藤威先生の研究室に行ってみた!

(文=川端裕人/写真=藤谷清美)

 雪と聞くとなんともいえない郷愁を抱いたり、別方面、たとえば「ホワイトクリスマス」的なロマンティックな思いに駆られたり、様々な感情の動きが生じるように思う。「雪」がもっているイメージ喚起力というのは非常に大きいのではないだろうか。

 たとえば、流行歌。12月に街を歩けば山下達郎の「クリスマス・イブ」がかならずどこからかきこえてくるし、仲間とカラオケに行けば、きっと誰かがレミオロメンの「粉雪」を歌い出す。これらは、ロマンティック要素が濃いケース。別のカラオケ的定番、Glayの「Winter, again」は、ロマンティックと郷愁のミックスチャー。さらにいえば「津軽海峡冬景色」のような国民的名曲もあって、これは郷愁やうら寂しさ方面に針が振れている。長いこと曲を作り続けているアーティストなら1曲や2曲、雪をテーマにした曲があり、イロコイ沙汰の成り行きや、人生の喜び・哀しみを重ね合わせる背景に用いられる。なにせ、雪の降らない沖縄出身のグループでも「雪の曲」を作るくらいだ。「雪」に秘められた深い思い、あるいは雪という真っ白な素材に、ぼくたちが託す思いは本当に多様だ。

 しかし、これはあくまでイメージの世界。雪国本場のリアルな雪は、かなり違う。イメージを常に喚起しつつも、やはりとことんシビアな面があって、災害の要因として対処しなければならない。

 特に、21世紀に入ってからは、その前の10年くらいに比べ、ふたたび雪が多くなっているそうだ。「平成18年豪雪」のように気象庁が後に名前を付けるような「豪雪」、平成23年の豪雪のように、気象研究者がそれに準ずるものとして語る豪雪が起き、防災上も見逃せない問題として浮上している。新潟県長岡市にある独立行政法人・防災科学技術研究所雪氷防災研究センターを訪ねた。

 東京から上越新幹線に乗り、いくつもの長いトンネルを通った後、越後湯沢の直前で雪景色に変わった。これが実に唐突であった。前日までは雪が降っていたそうで新雪に近い雪を見ながら長岡駅に到着。

 駅前からの道は見事に除雪されているので、タクシーに乗っていて不安を感じることは一切ない。やがて、雪が深くなり、道路の両側に1メートル超の白い壁が現れた。除雪車がまさに雪を切り崩して路幅を確保しているようだ。さらに、そこから小高い丘に登り始めたあたりで、ちょっと圧倒されるものを感じた。雪氷防災研究センターとはいうが、まず、センター自体の防災のため、雪と戦うところから始めなければならないのでは? と感じるほど、雪深かった。しかし、そういう場所だからこそ、雪についての研究ができるのだろうから、格好の立地でもある。

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「世界一の「豪雪国」、日本の現実」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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