• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

雪国の冬を安全、快適に過ごすために

防災科学技術研究所雪氷防災研究センター(3)

2013年3月6日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

世界一の豪雪の国、日本。「平成18年豪雪」をはじめ、21世紀に入ってから、その前の10年ほどと比べてまた雪が多くなっているという。平成23年も平成24年もしかり。豪雪が防災上も見逃せない問題として浮上してきたいま、雪氷防災のプロである佐藤威先生の研究室に行ってみた!

(文=川端裕人/写真=藤谷清美)

 雪氷防災研究センターの佐藤威センター長は、秋田市で生まれ、仙台市で大学時代を過ごした。

 秋田県は全県が豪雪地帯だが、秋田市はその中では特に雪が多いところではない。また、大学のあった仙台市内は豪雪地帯に指定されていない。

 佐藤さんは雪国に生まれながらも、今のような雪と災害、というテーマにたどり着くまでの道筋は、必ずしも一本道ではなかったという。

 「仙台の東北大学で気象学講座を選択して、大学院までいったんです。大気境界層物理学という分野でした。我々が生活してる地面から大体2000メートルぐらいまでの範囲の大気層を扱うんですが、特に私の研究は、地上10メートルぐらいの中の現象についてだったんです。そういうスケールの研究をやっていて、たまたまここの研究所の前身、国立防災科学技術センターの新庄支所から話がありました。地吹雪の研究をやってみないかと。地吹雪は地面近くの現象ですので、自分のやってきたことも生かせるだろうと、受けたんです」

 研究者として就職し、住むことになった山形県新庄市は、佐藤さんのそれまでの経験と比べて、雪の量がケタ違いだったそうだ。

 「はじめて、本格的な豪雪を味わったといいますか。はっきり覚えてます。12月1日の採用で赴任して、その少し後に、一晩で50センチか60センチ、どんと降ったんです。朝起きて玄関を開けると、雪のせいで出られない。そんな経験初めてだったんで、やっぱりびっくりしましたよね」

 科学者というのは、目の前の現象に魅せられて、そのメカニズムなどを解明したいという欲望に駆られることが多いように思う。これはすぐに研究対象に対する愛に結びつく。例えば、ぼくが知るサルの研究者は、みんなおサルさん好きだ。ただ、防災科学の場合、対象愛よりも、むしろ、理解を深めて人を助けたい、という思いが強くなる研究者が多いようにも思う。佐藤さんが、本格的な豪雪を経験して、研究対象とする中での思いはどんなふうだろう。

 「──やっぱりこれだけ人が怪我したり、亡くなったりするのを毎冬見てるんで、我々は研究者なんだから、それを防ぐのに役立ちたいと、だんだん強く思うようになっていきました。わたしが専門にしてきた地吹雪も非常に危険な現象ですし、それによる被害を防ぐ方法を考えたい。それに加えて、雪国社会そのものが抱えてる問題が雪を通じて出てくる面もあると思うので、そういうところに少しでも役に立てればなと。そこまで考えるようになったのはこの10年くらいなんですが」

NIEDは「防災科学技術研究所」の略称。災害に強い社会を実現すべく、雪氷防災研究センターをはじめ、さまざまな自然災害への防災にかかわる科学技術を研究、開発している。極端気象の真木雅之先生もその一員だ。

コメント0

「研究室に行ってみた」のバックナンバー

一覧

「雪国の冬を安全、快適に過ごすために」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本全体として若い世代にもっと所得の分配をしていくべきだと思う。

川野 幸夫 ヤオコー 会長