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雪に弱くなった雪国

防災科学技術研究所雪氷防災研究センター(4)

2013年3月7日(木)

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世界一の豪雪の国、日本。「平成18年豪雪」をはじめ、21世紀に入ってから、その前の10年ほどと比べてまた雪が多くなっているという。平成23年も平成24年もしかり。豪雪が防災上も見逃せない問題として浮上してきたいま、雪氷防災のプロである佐藤威先生の研究室に行ってみた!

(文=川端裕人/写真=藤谷清美)

 ぼくが住む東京では5センチでも雪が積もると大騒ぎだ。交通は乱れるし、転倒事故や自動車事故も増える。ところが、佐藤さんの見立てでは、今、雪国でも雪への耐性が弱くなっているのではないか、という。

その根拠は──

 「山形県の事例なんですけども、1980年ぐらいからデータがあって、ちょうど平成18年豪雪、つまり2005年から2006年にかけての大雪の時の犠牲者が飛び抜けてるんです。56豪雪(1981年)とか、59豪雪(1984年)(註・気象庁が命名したものではないが、研究者の間ではそれで通じる)とかがあったんですけども、80年代の後半から約10年間、雪の少ない時期があって、また最近増えてきたという傾向です。それが、同じだけの豪雪になっても、今の方が犠牲者は多い。この間何があったかというと、やっぱり高齢化、過疎化がものすごい勢いで進んできたんですね」

棒グラフが積雪で、折れ線グラフが犠牲者の数を示している。積雪のわりに犠牲者が増加していることがわかる。

 高齢化、過疎化ということで、当然のごとく人手がない。屋根雪の事故が起こりやすい気象条件を避けるのはもちろん、そもそも、雪下ろしの必要があるのか見定めるのも大切だ。センターのウェブサイトには今現在の屋根雪の重さを知ることができるページもあって、なるべく、雪下ろしをする回数を減らすための判断を助けてくれる。

雪氷災害発生予測システムの概念図。

 さらに、社会的なインフラへの被害を防ぐための仕事も大切だ。センターでは、様々な種類の雪害に関するリアルタイム予測に力をいれている。例えば、雪崩。試験的に運用しているという予測地点は、長岡市内の15カ所を含め80カ所近くになる。いずれも、雪崩が起きると、道路や、その他のライフラインに影響を与える場所だ。それぞれについて雪崩発生危険度の予測情報を提供している。

「研究室に行ってみた」のバックナンバー

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「雪に弱くなった雪国」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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