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ドケチでビビリの精神が生んだアルゴリズム

JAMSTECの稼ぎ頭 阪口秀(2)

2013年3月15日(金)

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前回まで: オーストラリアでの苦い経験を経て、「稼ぐ研究者」になるべくJAMSTECにやってきた阪口秀さん。開発したソフトは、エネルギー業界から鉄道、インク業界までひっぱりだこに。どうしてそんなソフトが開発できたのでしょうか。(写真:田中良知)

阪口秀さん

 JAMSTECで10年連続(実はまだ9年とちょっと)売り上げナンバーワンの、稼ぐ研究者・阪口秀さん。売り物は粒々の動きをシミュレーションするソフトだ。

 いったいなぜ、そういうものを作ろうと思ったんですか?

 「そもそもは、学生の時ですね」

 阪口さんは京都大学農学部の出身。農学博士でもある。

 「サイロの設計とか勝手に色々研究してたんです」

サイロが爆発する!?

 取材陣の頭には、北海道の牧場の風景が広がる。
 広大な土地、草をはむ牛、その傍らにそびえるサイロ。

 「サイロって、ほんわかした風景の一部でしょう。でも、爆発するんですよ」

 爆発?

 「サイロに貯蔵した穀物を排出するときに大爆発を起こして、人が死ぬこともあります」

 なんでそんなに大爆発するんですか?

 「なんでなのか、まだ完璧には理解されてないんです。サイロの中身がセメントなどでも同じことがあって、粉塵爆発(空中に浮遊する粉塵が爆発すること)の可能性が高いのですが、実験をやってもわからない。それで、シミュレーションで見られないかと」

 穀物一粒ずつをシミュレーションをしようというわけだ。サイロには一体何粒入ってるのだろう?
 時期は1980年代後半。パソコンが発売されて間もない頃で、大規模なシミュレーションをするには、ハードウエアのパワーが足りない。

 「絵に描いた餅、できない、と言われていました。ただ、概念はすでにイギリスのピーター・カンドールによって1960年代に作られ、1970年代後半には論文にされていたので、その人の手法を勉強しました」

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「ドケチでビビリの精神が生んだアルゴリズム」の著者

片瀬 京子

片瀬 京子(かたせ・きょうこ)

フリーライター

1972年生まれ。東京都出身。98年に大学院を修了後、出版社に入社。雑誌編集部に勤務の後、2009年からフリー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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