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さらば安売り! ウチは「量販店の2倍の価格」でテレビが売れる

【第1回】高くても買ってくれる顧客を増やす方法

2013年3月12日(火)

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 「でんかのヤマグチ」は、東京都町田市にある小さな家電販売店です。

 この地で私は48年間、商売を続けてきました。かつてバブル経済の頃に複数の店を出したこともありますが、今は町田市郊外の1店舗だけです。2012年3月期の売上高は12億4000万円で、社員は40人ほど。ごく一般的な零細企業と言っていいでしょう。

 それにもかかわらず、多くの方々に注目をしていただいているのは、業界大手の家電量販店がひしめく激戦区にありながら安売りをせずにしぶとく生き残っているからだと思います。

家電量販店より15万円高くても売れる

 ヤマグチの店頭に並ぶ50インチの液晶テレビの値段は32万8000円。家電量販店に行けば、同じ製品が17万8000円くらいでしょうか。ウチとでは約15万円の開きがあります。

家電販売激戦区で孤軍奮闘する「でんかのヤマグチ」の山口勉社長(写真:菊池一郎)

 「2倍近く高い値段で、売れるわけがない」と思われるかもしれません。値段が1円でも安いほうが売れる。それが当たり前の感覚ですよね。それでも、ヤマグチのお客様は買ってくれます。

 その秘密は、徹底した顧客サービスにあります。テレビとレコーダーを買ってもらったらお客様の自宅まで届けて配線して設置してあげたり、電球1個の交換でもトンデ行ったりするのは当たり前。これは言ってみれば、家電の販売や修理など本業に含まれる「表のサービス」です。

 ヤマグチにはこれ以外に、言葉はあまり良くないのですが、「裏のサービス」があり、これに力を入れています。なぜなら、一般的な家電販売店にはまずできないことだからです。

 「裏サービス」の一例を挙げましょう。営業担当者がクルマで担当地域を巡回中、顔見知りのお客様を見かけました。声をかけると、「これから病院に行くのよ」という返事。「それなら、すぐそこですから乗っていってください」と担当者が機転を利かせて送ってあげる。これがヤマグチの「裏サービス」です。

 あるヤマグチの営業担当者は、毎週金曜日になると、馴染みのお客様のご自宅に出向きます。そのお客様は高齢の女性で、韓流ドラマが大好きなのです。しかし、最近のデジタル家電は操作が複雑で、なかなか録画方法を覚えられません。そこで、担当者がお客様の代わりに録画してあげているのです。

 「家電販売に直接の関係ないし、そんなことは家族に頼めばいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、そのご家庭は、ご主人に先立たれた単身世帯。子どもも独立し、別の場所に住まいを構えています。すると頼れる人が近くにいません。

 そこでヤマグチの登場というわけです。

遠くの親戚より、近くのヤマグチ

 「遠くの親戚より、近くのヤマグチ」──。徹底したお客様サービスを続けていくうちに、いつしかお客様からはそう言われるようになりました。

 社員の名刺には、「でんかのヤマグチはトンデ行きます」というモットーが書かれています。お客様に困りごとがあったら、1分でも早く駆けつけとことん手助けをする。その代わりに我々は家電販売店なので、家電を売らせていただく。

 これが、ヤマグチの売り方です。

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「他店より高い! 「でんかのヤマグチ」 “高売り”の秘密」のバックナンバー

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「さらば安売り! ウチは「量販店の2倍の価格」でテレビが売れる」の著者

山口 勉

山口 勉(やまぐち・つとむ)

ヤマグチ代表取締役

1965年に東京・町田市でパナソニック系列の家電販売店「でんかのヤマグチ」を創業。90年代後半、大手量販店の進出を受け、訪問販売を主軸にきめ細かなサービスを提供する経営へ転換。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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