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クルマの下取り価格を新車の時に知る方法

東京都のシステム・ロケーション・その2

2013年3月14日(木)

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 当初予定していたシステム関連での事業立ち上げが頓挫した後、リース契約満了車両(リースアップ車)を対象とした入札会の事業で成功したシステム・ロケーション。同社は顧客のニーズに合わせて、さらに事業を転換していく。入札会の事業で蓄積したデータを生かした車両の残価を正確に計算する仕組み作りに乗り出したのだ。

 一般的にオートリースは3年から5年の契約となっている。この期間を過ぎた中古車にもまだ価値があり、その価値を正確に割り出すことができれば、リース会社はより低いリース料を提示することができるようになる。ただし、そのためには一定期間を過ぎた中古自動車に残っている価値、つまり「残価」を客観的に計算できなければいけない。

「経験と勘と度胸」から透明性のある残価計算へ

 ところがオートリース会社は商社や銀行などの系列企業であるところがほとんどで、中古車の残価を科学的に決められる専門家は社内に乏しかった。以前は中古車販売の経験者を中途採用し、直近のオークションデータをこまめに見ながら、経験と勘、度胸で残価を決めていたこともあった。

 システム・ロケーションは情報システムに蓄積されている過去の売買履歴データを分析し、2年間かけて透明性と客観性が高い残価計算の仕組みを作り上げた。それは同社が過去のリースアップ車の売買履歴を持っているからこそできたものだ。

 同社は過去の取引実績のデータを重回帰分析などの統計解析手法を使って分析する。しかし、取引データには誤入力などによる様々なノイズデータが含まれ、それらをどれだけ修正できるかが予測精度に直結する。そこでシステム・ロケーションはこれまで開発してきた自動車のデータベースと個々の取引データをマッチングさせ、同一車種の相場の推移をデータに基づいて計算できるようにした。

 この計算手法を生み出したことにより、これまで中古車販売のプロのディーラーが「経験と勘、度胸」で予想していた残価を、一般のスタッフでも出せるようになった。そこで残価設定支援システム「RVDoctor」として2000年6月に世に出し、新車の中古価格を算定する残価設定ローンの見積りシステムでオートリース企業の支援に乗り出すようになった。

 ちょうどこの頃、個人の消費者にも意識の変化が生まれてきた。かつては自動車を所有することへのこだわりがあったが、利用の価値が優先されるようになってきたのだ。そのため、個人が新車を購入する際でも、一定の期間を過ぎた中古車が市場で売却されたときの価格を差し引いた「残価設定型ローン」が幅広く受け入れられるようになり、自動車メーカーも残価設定型ローンを設けるところが増えてきた。かつては自動車メーカーも保守的だったが、残価設定型ローンだと価格に割安感が出ることや、購入の回転も早まること、顧客の囲い込みにもつながることなどの利点があるためだ。

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「クルマの下取り価格を新車の時に知る方法」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官