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再生可能エネルギー離陸後の課題

先行ドイツは電力高騰、日本は開発支援へ舵を

  • 山本 隆三

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2013年3月18日(月)

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欧州は再エネ先進国と言われるが、電気料金は高騰し、雇用創出も限定的。
日本は買取制度に頼らず、蓄電、発電設備への補助金政策などを進めるべきだ。

(山本隆三・富士常葉大学 総合経営学部教授)

 総選挙期間中、各政党は再生可能エネルギーに関するさまざまな主張を展開した。そして、その多くは、再エネにより経済成長と脱原発が達成可能という趣旨だった。「ドイツは再エネにより5兆円規模の産業を創出し、39万人分の雇用を生み出した」と論陣を張る政党もあったくらいだ。

 温暖化対策のみならず、エネルギー安全保障の観点からも重要となる再エネが、経済成長や雇用拡大にも寄与するのであれば、積極的に取り組むべきとの意見は当然、出てくるだろう。しかし、世の中に“フリーランチ(うまい話)”はない。ドイツ環境省のリポートは「環境分野では雇用が増加したが、その一方でエネルギー価格の上昇により失われた多くの雇用もあった」との記述があり、将来は雇用の純減もあり得ると予想している。

固定価格買取制度の功罪

 発電事業者から、発電コスト以上の価格で再エネを買い取る固定価格買取制度(FIT)は、欧州諸国において風力、太陽光発電の普及に寄与した。以降、世界的に再エネ導入の有力な手段となり、日本でも2012 年7月から導入された。しかし実は、導入から時間がたった欧州では制度の見直しが続いている。買い取り時の上乗せ価格を負担する電気料金の値上げに消費者が耐え切れなくなってきたためだ。

 年間3500kWhを消費するドイツの標準家庭の2012年の買い取り負担額は、1kWh当たり3.6ユーロセント、年額にして126ユーロとみられている(1ユーロ=約107円)。2013年の予想負担額は186ユーロだ。家庭用の電気料金は2012年5月現在で1kWh当たり25.41ユーロセントだから、FITの負担額は既に料金の約14%を占めていた計算になる。そして、2013年は20%を超える見込みだ。

 産業界の負担額も大きく、2013年には総額40億ユーロに達すると予想されている。FITを導入した欧州主要国の電気料金は、再エネ導入により上昇し、燃料を輸入に頼っている日本の電気料金を上回る国もある(右のグラフ)。

 2012年の前半、ドイツの全発電量に占める太陽光の割合は5.1%で、風力は8.9%だった。水力と合わせると再エネによる発電量は全体の19%になる。仮にドイツ政府が2020年に35%の導入目標を達成したとしたら、電気料金はいくらになるのだろうか。

 総選挙を2013年秋に控えたドイツ政府は、消費者の不満を抑えるために太陽光発電からの買い取り価格を2012年4月から大きく減額する一方、導入量が5200万kWに達したところで太陽光のFIT廃止を決定した。

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