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堤防を撤去するぐらいの発想が必要

2013年3月25日(月)

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 宮城県名取市と岩沼市にまたがる沿岸地域は、津波に浸水しながらも早期復旧し、復興物資輸送の拠点となった仙台空港直下になることもあり、東北地方に来る度に、もっとも復興が進んでいる地域という印象を受けていた。2市とも震災がれきの撤去完了も早かったし、復興計画の策定も早かった。海岸堤防本復旧工事も、他地域にさきがけて国土交通省直轄ですでに着工され、2015年度完成を目指している。

 だが、2月に訪れてみるとスピード復興のスケジュールにやや異変が生じているように感じた。

旧堤防と大差ない高さ

 国交省の威信をかけて着工された32kmの海岸堤防の本復旧工事の様子は壮観だ。だが、近づいてみると天端高は7.2mであり、津波で破壊された旧堤防より1mしか高くない。越波しても簡単に壊れない粘り強い構造にしたというが、100tもあるコンクリート構造物が押し流された津波の被災状況を見ると、今回と同規模の津波が来襲すれば時間稼ぎ程度の効果しかないだろう。1mのかさ上げで、地元市町村は納得したのだろうか。それとも国が決めたことには逆らえないとあきらめたのだろうか。

破壊され流失した名取市の仙台空港直下の海岸堤防(2011年5月)
国直轄事業で着工された仙台空港直下の海岸堤防約32kmの復旧工事(今年2月)

 名取市は、漁港と市街地が津波で全滅した閖上地区で、かさ上げ方式の区画整理事業を計画した。昨年3月に早々と都市計画決定し、昨年5月には地区別住民説明会を開催した。また、現地にはかさ上げの高さがわかる試験場も建設した。しかし、昨年秋に予定されていたかさ上げ工事は始まっておらず、震災がれきの撤去が終わった現場はそのまま1年間放置され、2月に訪れてみると荒野と化していた。復興のスピード感にブレーキがかかったのはどうしてだろうか。

コメント9

「東日本大震災から2年、疑問符だらけの東北の復興」のバックナンバー

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「堤防を撤去するぐらいの発想が必要」の著者

石渡 正佳

石渡 正佳(いしわた・まさよし)

千葉県県土整備部用地課土地取引調査室長

1958年千葉県生まれ。産廃Gメン時代に出版した『産廃コネクション』(2002年)が2003年「日経BP・BizTech図書賞」を受賞した。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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