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会社員の「血の出る言葉」は劇になるくらい面白い!

「前田建設ファンタジー営業部」を舞台化した上田誠・ヨーロッパ企画主宰に聞く

  • 中沢 明子

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2013年3月29日(金)

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 もし、まだ「前田建設ファンタジー営業部」を訪ねたことがなければ、この機会に是非一度見ていただきたい。

 大手ゼネコン、前田建設工業(以下前田建設)が「マジンガーZ地下格納庫一式工事」など奇想天外な案件に真剣に取り組む姿を社員自ら描き、ベストセラーとなった『前田建設ファンタジー営業部』。この作品が上田誠さん率いる劇団「ヨーロッパ企画」によって舞台化された(4月3日まで東京・有楽町で上演中、公演案内はこちらから)。

 なぜ「ヨーロッパ企画」が前田建設ファンタジー営業部を劇にしたのか(もちろん、前田建設がお金を出してやらせたのなら、わざわざ記事にはしない)。その経緯について、『フリー』『シェア』の監修者で、ウェブによる企業と社会、個との新しい関係を探り続ける小林弘人氏が、根掘り葉掘り聞き出した。

(構成:中沢明子)

(写真:陶山 勉、以下同)

小林:上田さんが劇団「ヨーロッパ企画」を立ち上げられたのは何年前ですか。

上田:今年で15年目になります。18歳の時、学生劇団から始め、徐々に劇団として独り立ちして、今は会社組織に。ですから、劇作家でありながら「ヨーロッパ企画」という劇団を運営している、という立場です。最近は、映画やドラマの脚本を書かせていただくことも増えてきました。

上田 誠(うえだ・まこと)
「ヨーロッパ企画」主宰。劇作家、演出家、構成作家、映像作家。 1979年11月生まれ、京都府出身。ヨーロッパ企画の代表としてこれまでの全公演の脚本・演出を担当。外部での脚本・演出や、映画・ドラマの脚本、テレビやラジオの企画構成も手がける。また、ラジオパーソナリティや、イベントなどへの出演も多い。2010年、構成と脚本で参加した「四畳半神話大系」が第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で大賞受賞。

小林:あの「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督とも仕事されていますよね。

上田:はい。「サマータイムマシン・ブルース」「曲がれ! スプーン」は、本広さんが僕らの昔のお芝居を映画化してくださった作品です。

小林:上田さんがこれまでに作られた劇を、演劇にあまりなじみのない読者向けに短くご紹介いただくと…。

上田:基本的にコメディですね。コメディに寄るのは関西出身だからかもしれません。それと僕はもともと理系だからか、SFやファンタジーの要素が入った作品が多いんです。台本もフローチャートっぽく作りますし。

小林:ヨーロッパ企画は京都が本拠地ですよね。京都には私の会社の支社がありますが、上田さんにお会いする話をしたらスタッフから羨ましがられ、絶大な人気を実感しました。

上田:いえいえ、そんな(笑)。でも、うれしいです。

小林:今回、上田さんにお話をお伺いする理由があります。まず、僕は昨年、企業が自社をメディア化させて、自社のユーザーたちと直接向き合う時代になってきたという主張を込めて『メディア化する企業はなぜ強いのか?』を出版しました。

小林 弘人(こばやし・ひろと)
実業家。編集者、メディアプロデューサー、デジタル上のコミュニケーション・ストラテジストとして幅広く活躍。「ワイアード」(1994-1998)「サイゾー」(1998-2007・事業売却)「ギズモード」(2006-)等、紙とウェブにまたがり人気メディアを立ち上げ、編集長を務める。企業自身による自社メディア化を見据え、1998年にインフォバーンを設立。数多くのポータルサイト、ウェブサービス、企業メディアの立ち上げから運営、ソーシャルメディア・マーケティングまでを支援。監修した『フリー』(クリス・アンダーソン著・ NHK出版)は翻訳書としては異例の19万部を超えるベストセラーとなる。

 そういった手法や戦略は、最近では「コンテンツマーケティング」や「オウンドメディア戦略」と呼ばれています。つまり、広告出稿のようなアウトバウンドだけではなく、インバウンドで潜在的な顧客をファンに転化させていく時代の到来がようやく認知されつつあります。僕の会社は、それをお手伝いするサービスを15年前から提供しています。そのような戦略を知ってか知らずして、前田建設さんは、かなり早い時期に独力で「ファンタジー営業部」というコンテンツを立上げ、成功させました。これは、世界的にも稀なことです。

 そんな一企業のコンテンツが、お金を払ったわけでもないのに気鋭のエンターテイナーによって磨かれ、これまでと違うオーディエンスに届けられるという事態になっています(笑)。話を聞かないわけにはいきません。


建設会社の話を舞台化したワケ

上田:そうだったんですね。

小林:で、ここから本題ですが、まず『前田建設ファンタジー営業部(以下、ファンタジー営業部)』をなぜ舞台化しようと思われたんですか。この作品が単行本で発売されたのは9年前ですよね。その頃から「いつか舞台化しよう」と思っていたんですか。

上田:僕がこの本を見つけたのは3年ほど前ですが、読んだ時からすごく印象深い本でした。

 実は前田建設さんのウェブサイトは拝見していなくて、本にいきなり出会ったんです、書店で。ファンタジーは自分の劇作の領分ですし、それに加えて建設や建築にもすごく興味がありましたから、「ファンタジーと建設、両方の言葉が入っているなんてどういうことだ!」と(笑)。手にとらずにはいられませんでした。それに舞台美術にも建築的観点がちょっと入っているものですから。

小林:なるほど。それで読み終わって、前田建設さんにコンタクトを取られたというわけですね?

上田:僕は今まで基本的にオリジナルの作品を舞台化してきましたので、原作を舞台化したことはないんです。でも、たまたま仲介してくださった方がいたので、「ぜひやらせてください」と。僕としてはとても嬉しい流れだったんですが、まさか本当に僕がやらせていただけるとは、という感じでした。

 ただ、なんとなく僕の得意技を活かせそうだという感触はありましたね。僕はいかにも舞台に載りやすい題材ではなく、なかなか舞台に載らない題材を舞台にしたい。

小林:たとえば?

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官