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PM2.5は大陸からの越境汚染か

手強い二次生成物の対策

2013年4月4日(木)

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 環境省が「注意喚起を促すための暫定的な指針値」を発表してから、およそ1カ月。国内では各自治体による観測態勢の強化や、予報・周知についての取り組みが進んでいる。だが、インターネットの速報情報サイトなどでは、しばしば、1日平均の環境基準値である1立方メートル当たり35μg(1μは100万分の1)を超える数値が、各地で報告されている。

 しかも、春先から初夏に向けては、大陸からの黄砂が多く飛来するシーズンにあたる。黄砂とともにPM2.5も運ばれてくる可能性もあり、再び、2013年初頭のような高濃度現象が発生するのでは…という懸念が高まる。今後、PM2.5濃度はどのように変化していくのか。中国大陸からの流入、いわゆる越境移流は、どれほどの影響をもたらすのか。

今後はさらなる濃度減少が予測されているが

 前回紹介したように、国内における大気中のPM2.5濃度は、過去の観測データからは減少傾向にあるが、これからもこの傾向が続くのかは、実のところ未知数。今後、PM2.5に対する警戒態勢を強化するには、将来の十分な予測が必要だ。だが現在、さまざまな予想はなされているものの、いまだはっきりとした指針は示されていない。これは、PM2.5の予測がたいへん難しいためだ。

 たとえば、東京都環境研究所が一昨年7月にまとめたこれまでの推移と将来予測では、関東地方の汚染物質排出量などを基にシミュレーションモデルを使用して計算したところ、2016年での年平均値として1立方メートル当たり13.6~17.2μgの予測値が算出された(図1)。「現在の対策を継続した場合(BaU)」「合理的で適用可能な技術・手法を使用した場合(RACT/RACM)」「適用可能な最良の技術を使用した場合(BAT)」の3つのシナリオである。

図1:東京都におけるPM2.5 の大気環境濃度(年平均値)の推移と将来予測
出所:東京都

 一方、この予測の後で観測された実測値は、2011年度で一般環境大気測定局(一般局)で1立方メートル当たり15.7μg、自動車排出ガス測定局(自排局)でも17.7μgと、予想値に近い値まで濃度が減少している(東京都環境局の資料による)。今後はさらなる減少が期待される。

 だが、この事実からだけで将来を楽観視するのは早い。実は、シミュレーション精度が十分である確証がないのだ。東京都環境科学研究所の樋口幸弘・調査研究科長は、こう指摘する。

 「正確な将来予測はたいへん難しい。発生源インベントリ(どこからどれだけの物質が排出されているかということ)の情報や、現在用いているシミュレーションモデルの精度の両面で、まだ十分と言える段階にない」

コメント3

「微粒子に気をつけろ!日本を襲う「PM2.5」の真実」のバックナンバー

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「PM2.5は大陸からの越境汚染か」の著者

山村 紳一郎

山村 紳一郎(やまむら・しんいちろう)

サイエンスライター

科学と技術の全分野で取材・執筆活動を展開中。科学雑誌や書籍を中心にして、ルポルタージュや解説記事、科学実験の開発・実演記事を執筆。教育番組の製作協力、各種ドラマ番組の科学監修なども。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師