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売上高を追わず、「笑顔高」を追う

接客重視で生き残る広島県福山市の浦上ふとん店

2013年4月4日(木)

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 かつては全国どこの商店街にも、地域に密着したふとん店があった。だが、モータリゼーションが進み、買い物の中心が郊外のショッピングセンターへと移って商店街が衰退するとともに、ふとん店も街から姿を消している。後継者不足から廃業するふとん店も多い。

 一方で、ふとんは消費者が日々使う商品でありながら、頻繁に買い替える商品ではないため、靴や衣料品、メガネのようなナショナルチェーンはほとんどない。

 この点に着目し、地方のふとん専門店として販売戦略を再構築し、店舗の大型化と接客サービスの充実、さらに積極的な広告宣伝による新規顧客開拓で事業を伸ばそうとしているのが広島県福山市にある浦上ふとん店である。広島県民であれば浦上ふとん店のテレビコマーシャルを知らない人はいない。だが、一歩県外に出るとその存在はほとんど知られていない。一体どのような企業なのだろうか。

広島県福山市にある浦上ふとん店

 「現在のふとん業界は、きちんと使い方などを提案して商品を販売することができていない」。浦上ふとん店の後継者である浦上英士取締役はこう言う。

 現在、ふとんの販売チャネルは量販店か家具店が中心になっている。最近では通信販売も無視できない存在になりはじめている。しかし、量販店は専門店ではないし、家具店は家具を扱うのが基本だ。通信販売には十分な顧客接点がなく、必要な商品情報の提供ができるとは限らない。

 つまり様々なチャネルを通じてふとんは販売されているが、消費者は商品内容の説明を受けることができない。一方の小売店側も専門知識に基づく提案をできていない。自分に合ったふとんを専門知識を持った人に相談しながら購入したいと考えている消費者にとって、現在のふとん販売の状況ではどこで買えばいいのか分からないのだ。

靴もスーツも試すのに、ふとんは試さない

 睡眠に悩んでいる人は多い。睡眠が人にとって大切であることは言うまでもないことで、良い睡眠を取るためには自分に合ったふとんを選ぶことが不可欠である。しかし、多くの人はメガネでも靴でもスーツでも必ず試してから購入するのに、ふとんを試してから購入することはほとんどない。ふとんは引っ越しや建て替えの時ぐらいしか買い換える機会がなく、長く自らの身体に接触する商品であるにもかかわらず、試すことをしないのだ。

 身体の状態によって適したふとんは違う。体重や姿勢、体型によっても違う。ふとんメーカーは様々な良い商品を開発しているが、メーカーは縮小市場の中で十分な広告宣伝ができていない。このためふとんメーカーと消費者の接触回数は非常に少なく、メーカーは商品情報を消費者に伝えきれていない。本来、ふとんの販売は専門店ならではの商品説明とアドバイスで、一人ひとりの消費者の要望に対応していく小売店主導の販売に向いた商品なのである。

 浦上ふとん店はここに商機を見出した。専門店で働く従業員のコミュニケーションスキルで、消費者と布団メーカーの間にあるギャップを浦上ふとん店が埋めることを目指してているのだ。

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「売上高を追わず、「笑顔高」を追う」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官