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偽物増えるオリーブオイルに対策。品質保持に動き出した人たち

  • 多田 俊哉

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2013年4月5日(金)

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 昨年12月5日、米国で連邦政府国際貿易委員会によるオリーブオイルに関する公聴会が開かれた。2012年初めから、主にヨーロッパ産の安価なオリーブオイルが、米国産オリーブオイルの市場を圧迫していないかを調査するプログラムがスタートしており、公聴会は市場の実態を把握するために開かれた。

 証言に立った米国最大の生産者は冒頭、オリーブオイルの品質は国際市場において無秩序に放置されており、低い品質の輸入オリーブオイルが米国の国産オリーブオイルの販売を不当に圧迫している、と窮状を訴えた。

 また、オリーブオイル業界の不正を白日の下にさらした『エキストラバージンの嘘と真実』の著者で私の友人のトム・ミューラーも証言に立ち、国際機関によるオリーブオイルの品質規格とチェックは形骸化していてまったく機能していない、と述べた。

 「機能していない」と名指しされた国際機関「国際オリーブ協会(IOC)」の責任者が公聴会に呼ばれず、証言の機会を与えられなかったことに関しては、批判を受けても仕方ない面はあるかもしれないが、委員たちは単に証言を聞くだけでなく証言者への質問も多くあり、偽装を防ぐあらたな品質規格基準も話題に上った。

 科学技術の進歩により、オリーブオイルに含まれる特定の成分を詳しく分析することで、ほかの油や精製されたオイルが混入していないかを突き止めることは可能だ。IOCがこうした方法を採択し、加盟国にその遵守を呼びかけるとともにチェック体制を確立すれば、問題は解決するように見える。しかし残念ながら、現在のところそうした兆しは見えない。

品質偽装の背景にあるものとは?

 国際オリーブ協会(IOC)という国際機関がありながら、皮肉にも品質の偽装がIOC本部のあるスペインやオリーブオイルの本家を自認するイタリアなどで止まらないのは理由がある。そもそもIOC設立の目的は、第二次世界大戦で荒廃したヨーロッパの農業国が、オリーブ栽培とオリーブオイル販売で経済成長できるように体制を整えることにあった。加盟国のほとんどはヨーロッパの生産国で占められ、それらの国は国策で生産者や販売者の保護に努めた。

 その結果、今日のオリーブオイルの市場は、スペイン、イタリア、ギリシャなどによる寡占状況をとなっている。その意味では、IOCの果たした役割は大きく、順調に目的を達成したといえる。

 産業振興の功績があった一方で、消費者(国)側の要請が顧みられることはほとんどなかった。かつてオリーブオイルの大消費国で生産国でもあるオーストラリアは、IOCに加盟することを真剣に検討した。しかし、IOCが行う議決についてEUの絶対的な拒否権が認められるようにその規約が改正されたため、加盟を見送った経緯がある。IOCは消費者や消費国に門戸を開いておらず、日本や世界最大の消費国の1つである米国はIOCに加盟していない。

 そもそも生産者や販売者だけで品質のルールを決めたり、そのチェック体制を決めることは、「お手盛り」の意思決定や組織内部の腐敗を招きやすい。

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