• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

保守派も「米中二股外交」を唱え始めた韓国

緊張高まる朝鮮半島を木村幹教授と読み解く(2)

2013年4月10日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回から読む)

「韓国は米国を見限って、核武装中立の道を歩むのではないか」――。北朝鮮の核が巻き起こすドミノを木村幹・神戸大学大学院教授と検討した(司会は田中太郎)。

メッセージを無視された朴瑾恵

韓国は北朝鮮に核兵器で脅されています。米国との同盟強化で乗り切るのか、あるいは鈴置さんが予想するように米国を見限り、中国に寄って助けてもらうのでしょうか。

木村幹(きむら・かん)
神戸大学大学院・国際協力研究科教授、法学博士(京都大学)。1966年大阪府生まれ、京都大学大学院法学研究科博士前期課程修了。専攻は比較政治学、朝鮮半島地域研究。政治的指導者や時代状況から韓国という国と韓国人を読み解いて見せる。受賞作は『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(ミネルヴァ書房、第13回アジア・太平洋賞特別賞受賞)と『韓国における「権威主義的」体制の成立』(同、第25回サントリー学芸賞受賞)。一般向け書籍に『朝鮮半島をどう見るか』(集英社新書)、『韓国現代史――大統領たちの栄光と蹉跌』(中公新書)がある。近著に『徹底検証 韓国論の通説・俗説 日韓対立の感情vs.論理 』(中公新書ラクレ)がある。ホームページはこちら。(撮影:佐藤久)

木村:韓国は対北朝鮮政策、ことに核兵器やミサイルの開発を巡る問題で完全に手詰まりに陥っています。金大中、盧武鉉の両政権は包容政策を採りましたが、その間に北朝鮮は最初の核実験を成功させてしまいました。援助したカネを核開発に利用されてしまったと非難されても仕方のない状態です。

 この反省から李明博政権は強硬策に出ました。しかし、北朝鮮は開発を止めることなく、ついにはミサイル実験を成功させてしまいます。

 本来ならここからさらに強攻策を採る、ということもあり得るのですが、北朝鮮との大きな緊張を望まない韓国世論の制約から、朴槿恵大統領は李明博政権よりも若干融和よりの政策を選択しました。「信頼」をキーワードにした、一種の柔軟対応戦略です。

 しかし、この朴槿恵大統領のメッセージは北朝鮮からは相手にされませんでした。それどころか政権発足の直前に3回目の核実験を敢行され、さらには政権発足直後から、核や通常兵器での脅しを受け続けるありさまです。韓国にとって、自分では北の核やミサイルの開発を巡る問題を解決できないことが明らかになった形です。

米国を頼むか、中国か

 だとすると今度は、自らよりも影響力のある相手の力に頼って状況を改善しようとする、という伝統的選択を採ることになります。つまり、北朝鮮を巡る状況が悪化することで、韓国は結果的に周辺大国への依存が強まる、という構造です。

 ただ、それが朝鮮半島問題において大きな影響力を持つ2つの大国、つまり、アメリカと中国のどちらか一方に韓国が傾斜する結果をもたらすか、といえば、そこには大きな疑問符がつくと思います。

 この点について、鈴置さんは北朝鮮の脅威が増した結果、韓国はますます中国頼みになるだろう、とおっしゃいますが、状況はそれほど簡単ではないように思います。北朝鮮の危険性が増す今、強力な軍事力で守ってくれている米国から直ちには離れるわけにはいかない。

 なぜなら、本当に北朝鮮が暴発した場合、アメリカの代わりに中国が自ら軍事力を用いて北朝鮮の前に立ちふさがってくれる、というのは、やはり考えにくいことだからです。

 また、北朝鮮を巡る状況は、韓国における中国に対する信頼感を揺るがす効果も持つだろうと思います。この点では、金正恩体制の成立以来、中国が北朝鮮の核やミサイルを巡る実験に繰り返し反対の意を表明したにもかかわらず、北朝鮮がこれらを強行してきた事が重要だと思います。

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』好評発売中

韓国はなぜ、中国と一緒になって日本を叩くのか?
米国から離れて中国ににじりよるのか?
朝鮮半島を軸に東アジアの秩序を知り、
ガラリと変わる勢力図を読み切る!!
「早読み 深読み 朝鮮半島」の連載を大幅に加筆・修正して最新情報を1冊に。

コメント7

「早読み 深読み 朝鮮半島」のバックナンバー

一覧

「保守派も「米中二股外交」を唱え始めた韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

定年後の社会との断絶はシニアの心身の健康を急速に衰えさせる要因となっている。

檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師