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「発電する農家」でTPPに対抗

ソーラーシェアリングが農業を変える

2013年4月18日(木)

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 今、「農業」の概念が根本から変わろうとしている。同じ土地で農作物とエネルギー(電気)を同時に生産する。それが当たり前のこととなりつつあるのだ。これにより、日本のエネルギーと食料の自給率向上が期待されるがそれだけではない。日本の農業史上最大規模の革命が起こる可能性も出てきたのである。

農電併業が解禁

 3月31日、農林水産省は、これまで農地転用に当たるとして認めていなかった、農地への太陽光パネルの設置を認める決定を行い、その際の許可条件などを公表した。すでに一部で始まり、注目されている「ソーラーシェアリング」に法的な裏づけができたことになる。

 農水省が定めた許可条件は以下の通りである。

(1)支柱の基礎部分について、一時転用許可の対象とする。一時転用許可期間は3年間(問題がない場合には再許可可能)
(2)一時転用許可に当たり、周辺の営農上支障がないか等をチェック
(3)一時転用の許可の条件として、年に1回の報告を義務付け、農産物生産等に支障が生じていないかをチェック

 今回の決定に当たって、農水省農村振興局長から、各地方農政局長や都道府県知事などに宛てた通達を見てみると、発電事業終了後に支柱を撤去するための資金と信用があること、農産物の2割以上の減収や品質の著しい劣化が起こらないこと、などが明記されている。

 この制度では、形の上では期限3年間の「一時転用」となっているが、これは、建前であり、実際上は「問題がなければ更新可能」としているので、買い取り期間である20年間は続けられると考えてよいだろう。察するに、建前上「一時転用」とすることにより、「永久的な農地転用ではない」と確約し、現行の法律を変えることなく農家による太陽光発電参入への道を開いたものと解釈できる。

 これからは、「農業」の定義が変わるだろう。すなわち、太陽エネルギーを利用して農産物と電気(エネルギー)を生産する産業が「農業」になる。日本の農業史でも最大級の革命のきっかけとなることは間違いない。

「ソーラーシェアリング」とは

 ソーラーシェアリングとは、太陽光(ソーラー)を農産物生産と太陽光発電とで分かち合う(シェアする)仕組みである。2003年にCHO技術研究所の長島彬氏が特許を出願し、現在では多くの人に使ってもらいたいと無償で公開している。

メガソーラーが農園を兼ねるようになる
(アドバンスが建設したメガソーラーで筆者撮影)

コメント6件コメント/レビュー

「農家」の経営改善ではあっても、「農業」の生産性改善にはならない。太陽光発電への高値買取制度が続くことを前提とした補助金の変形でしかない。(2013/04/18)

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「「発電する農家」でTPPに対抗」の著者

村沢 義久

村沢 義久(むらさわ・よしひさ)

合同会社Xパワー代表、環境経営コンサルタント。

1974年東京大学大学院工学系研究科修了。1979年米スタンフォード大学経営大学院修了。2005年から東京大学サステイナビリティ学連携研究機構特任教授として地球温暖化対策を担当。合同会社Xパワーを立ち上げ代表に就任。2016年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「農家」の経営改善ではあっても、「農業」の生産性改善にはならない。太陽光発電への高値買取制度が続くことを前提とした補助金の変形でしかない。(2013/04/18)

TPP以前に老人しかいない農業をどうにかしないと日本の農業に未来はない。(2013/04/18)

課題が難題ですね。今の状態ではトラクターはおろか耕運機すら入れませんから。しかもそれだけの収入があれば兼業農家は耕作しているフリをしかねませんし、農地の集約の妨げになりかねません。「農山漁村振興の有力な手段になることは間違いない」kwh当たり36円の電気代が元ですから、その時は日本から製造業が無くなっていそうです。「その5分の1程度は容易に実現・・・発電量4600万kWh、日本の総電力需要の46%になる」日本中が曇りの時のバックアップはどうするのでしょうか?最悪、発電量0を想定しますと今の電力会社の発電所は全て残して置く必要があります。そうしますと電力会社の人員もそうは減らせず、減るのは使用頻度が落ちる燃料くらいでしょう。それらの費用も消費者が負担しませんと年中、停電してしまいます。それは36円にどれ程の上乗せになるのでしょうか?(2013/04/18)

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