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日本のTPP交渉参加、賛成派にもギリギリまで隠したUSTR

米連邦議員も賛否両論入り乱れる

2013年4月23日(火)

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 「正直に驚いています。あんなに早く日本がTPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加を決めてくるとは思っていませんでした。もうすこし時間がかかると思っていた」

 今月12日、日本がTPPへの交渉参加を表明したことに対し、米連邦下院のグレゴリー・ミークス議員(民主・ニューヨーク州)は驚きを隠さない。

 というのも、ミークス議員はその2日前、民主党議員有志で構成される「ニュー・デモクラティック・コーリション(新民主連合)」のメンバー数人と、米通商代表部(USTR)のデメトリオス・マランティス代表代行と会合を持っていたからだ。

日本の参加は「すぐではない」と語っていたUSTR

 マランティス代表代行はロン・カーク前通商代表が退任した後、米国側のTPP交渉の責任者になっている。同連合のリーダー格であるミークス議員が会合で同代表代行から聞かされたのは、「(日本参加は)いい流れではあるが、すぐではない」というものだった。

 12日早朝、日本参加のニュースがメディアで報道された時、ミークス議員は事前にオバマ政権側からその事実を聞かされていなかった。公式発表後、マランティス代表代行は新民主連合メンバーに直接電話連絡を入れている。

 驚いているといっても、ミークス議員をはじめとする約50人の新民主連合のメンバーは皆、日本のTPP参加への賛同者である。大局的に、自由貿易こそが世界経済を発展させる最良の手立てであり、保護主義的な貿易政策は産業全体にとってはマイナスであるとの意見でまとまっている。ただUSTRは、日本の参加交渉の進捗状況を、同じ政党の賛成派議員にも告げていなかった。

 その背景には反対派への牽制がある。TPP問題で、米国はもちろん一枚岩ではない。全米商工会議所や豚肉生産者、小麦生産者、大手建設機械メーカーのキャタピラーなどは日本のTPP参加に賛同するが、自動車業界や鉄鋼業界、全米自動車労働組合(UAW)、全米鉄鋼労働組合(USW)などは反対してきた。

 連邦議員の反対派は民主・共和両党にいる。中でも自動車産業のメッカ、ミシガン州やオハイオ州に強硬派議員が多い。ミシガン州のデイビッド・キャンプ下院歳入委員会委員長や同委員会のサンダー・レビン議員、オハイオ州選出のシェロッド・ブラウン上院財政委員会委員長などが代表格である。

 実は、議員の賛否両論の構図は日本とまったく同じである。地元州民の利害を代弁する連邦議員である以上、地元の産業擁護が使命だ。日本の農業従事者を守る議員がTPPに反対するのと一緒で、米国では自動車産業擁護派が日本のTPP参加を快く思っていない。

 12日に日本が交渉参加を正式表明した後、オバマ政権内には一部で「出来レース」のような流れができたという。彼らの思惑通りに進めば、交渉妥結は年内、遅くとも来年初頭になるとの見方が強い。

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「日本のTPP交渉参加、賛成派にもギリギリまで隠したUSTR」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官