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ハッカーが電力を狙い撃ちする日

スマートメーター導入の死角(1)

2013年5月1日(水)

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 東京電力による、次世代電力計いわゆる「スマートメーター」の大量導入がついに始まる。2013年4月末にも機器開発の委託先が決まり、2014年度には設置が始まる見込みだ。2018年度までに1700万台、2023年度までに2700万台を設置し、ネットワーク経由で家庭や企業の電力消費量を収集する仕組みを構築する計画である。

 なぜこれほどまでにスマートメーターが注目されているのだろうか。それは、スマートメーターが、リアルタイム、リモート、双方向の通信機能を持ち、先進的な電力サービスを生み出す可能性を秘めているからだ。

 例えば、東日本大震災以来、夏季や冬季の電力ひっ迫時に需要を抑えるデマンドレスポンス(需要応答)の試みが実施されている。このような試みをサービスとして提供するためには、リアルタイムに電力を計測する仕組みや、需要家との双方向通信の機能が必須となる。

電力網が開放される

 日本では、これ以上の意味がある。それは、電力会社が持つ通信網のオープン化である。

 今回の東京電力のスマートメーター調達の目的は、設備コストの低減である。そこで、電力会社の専用通信網だけでなく、一般通信事業者の通信網も活用し、コスト低減につなげる方針である。これが意味するところは、「電力網のオープン化」である。

 電力会社は電力網と通信網の2つのネットワークを持ち、お互いがつながっている。電力会社の通信網と通信事業者の通信網をつなぐことは、通信事業者が持つインターネットなどの通信網から電力会社の電力網に接続を許すことを意味する。こうしたオープン化があってはじめて、デマンドレスポンスや新型の省エネサービスなどを提供する新規事業者の参入が可能になるわけだが、一方で、セキュリティの危険性を孕む。

 通信事業とりわけインターネット通信の歴史をひも解くと、ネットワークのオープン化がサイバー攻撃のリスクを高めることは明白である。ネットワークの住所を示すIPアドレスが付与された機器(エンドポイント)が大量に出現すれば、セキュリティリスクは飛躍的に高まる。スマートメーターの大量導入には、大きな危険性がつきまとうことになる。

電力網のオープン化で接続機器(エンドポイント)が増加
出所:電力中央研究所「次世代グリッドにおける情報通信技術」

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「ハッカーが電力を狙い撃ちする日」の著者

段野 孝一郎

段野 孝一郎(だんの・こういちろう)

日本総合研究所シニアマネジャー

京都大学大学院工学研究科博士前期課程修了(工学修士)。エネルギー、通信、交通、水道などの社会インフラ企業の新規事業検討や事業領域拡大に関するコンサルティングに従事。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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